素直に喜ぶのが吉


 アクーニンの2巻本の新作『Ф.М.(エフ・エム)』。初版30万部。エフ・エムはフョードル・ミハイロヴィチのイニシャル。ここの書評より。ドストエフスキーの遺稿をめぐる推理アドベンチャーらしいけど、ファンドーリン・シリーズを全然読んでいないこともあり、書評なのに何を言っているのかさっぱり分からない。『罪と罰』がメインで、19世紀の紙とインクを使ったり、ドストエフスキーの筆跡を真似たりと、楽しくやっているらしい。「髯の生えた犬夜叉(47歳)」については、アイデアが尽きたんで最近のアニメ・ブームに乗ったんだろう、というのがロシアのアニオタたちの感想。アクーニンは、三島由紀夫をはじめとする日本の古典純文学の翻訳者。日本のポップスタイルを使った挑発といえばペレーヴィンだけど、今作はそっち系なんだろうか。もともとアクーニンの立ち位置は純文学と大衆文学の間だから、当然の帰結かもしれない。