ソナーニル雑感

 声にとか関して特に意味もなくだらだら感想。
 ライアースレでは定期的に野月まひるの声に関する話題が繰り返されていて、特に何か付け加えられるようなことがあるわけでもないし、このブログでも何度か書いた気がするけど、僕は苦手派で、インガノックやヴァルーシアではけっこうダメだった。ソナーニルではシャルノスのときと同様に静かなキャラなのでとっつきやすくてよい。後半どうなるか分からないけど。過去編の桜川未央ボイスはヴァルーシアのクセルと同じで純真すぎて聞いていてくすぐったくなる声。この感覚はエロゲー冥利に尽きる。現在と過去の対比の感覚が心地よい。もともと100年前の設定で、そのさらに過去がこんなにも明るくて穏やかだったというのは、毎度のことながらうまくできていると思う。
 マオの声(高槻つばさ)は予想外によかった。このデザインと設定のキャラで気に入るはずはないとたかをくくっていたけど、声だけはちょっと印象的だった。泣きそうでふるえそうな声。
 かわしまりのボイスはこれまで通り全く素晴らしい。
 ニューヨークの崩落に関しては、ちょうど今朝読んでた「ゴジラの来迎」で、「ニューヨークに来襲するキング・コング」と「東京に来迎するゴジラ」が対比されていてなるほどと思ったけど、ニューヨークだってこの時代、この物語の文脈では1950〜60年代の東京のようにゴジラ的な不気味な何物かの到来を生み出せるものだったのではと思える。本作のマンハッタンビルは9・11のアレンジと言うのは容易だけど、あまり面白くもない。前のエントリでも触れたけど、やはり現実の歴史にひきつけてというよりは可能な限り作品内に踏みとどまって読むのがいいような気がする。自分に表現力がないので感想を書こうとするとすぐにこうして歴史や文学史の方向に上滑りしてしまうけど。引き起こされた怪事件の設定的なからくりはまあ、いい。重要なのは「御使い」が毎晩やってきて毎晩心を削り取っていくとき、事件が起きたことが何度も何度も描写されるとき、それは不気味な恐怖の瞬間を反復してストレスを味わうという強迫的な欲望を読み手に引き起こして蓄積していく、ある種の儀式のようなものだろう。この暗さがエリシアやリリィにも影を落としている気がするところがたまらない。