感想のまわり

恋物語 (講談社BOX)

恋物語 (講談社BOX)

 ラノベを読んでもブログで感想を書かなくなってしまってからだいぶ経つ気がする。エロゲーのほうは手癖もあってまだ続けられているけど、構造から言っても歴史から言っても語られて定着するようにできているので書きやすいということがある。それに比べてラノベでは、自分の中には読んでもアウトプットしておく必要性を感じなくなってしまったのは寂しいことだ。主に自分の薄っぺらさが。xxを読んだ、という報告だけの記録は薄っぺらさがさらに強調されるので避けたいところで、せいぜいツイッターのつぶやきでもらすぐらいにすべきだけど、もう無理しても吐き出せないのだから必要なことなのかもしれないな。今回はたまたま時間が少しあったので記録。内容の感想はやはり出そうもない。ただ、西尾維新の文章はなぜだか飽きるということがないので、この人の書くシリーズ物には終わりというものが来てほしくない。今のペースでこの物語シリーズをあと20年書き続けたとして、その間に少しずつ変わっていく文章やテーマに合わせて、自分も少しずつ変わっていけたらいいのにな、などと鄙びた感慨を抱いてしまう。というのも、好きな作家がラノベにしては遅筆なタイプばかりな自分にとってはまことにありがたいペースで書かれてきた物語シーズだが、あと3冊で終わってしまうらしいからだ。飽きるということのないこの作家の文章だから、戯言シリーズともどもまた最初から読み返してみるのもいいのかもしれない。実際はそんな時間を作る余裕はないのだろうけど、その想像をしてみるのは楽しいことだ。どちらのシリーズも思い返してみても古びることがなさそうな気がするのは、世代論的にテーマが自分にとって古びることがないからなのか、それともやはり読んでいた時の自分が生きていた時間の空気を、いつまでも自分から切り離してしまいたくないからか。いずれにせよ、物語シリーズの本は今回も面白かったし、これだけいつも楽しませてもらっているのだから、記憶や心があてにならないと思っている自分としては、何かアウトプットの形を作っておいたほうがいいような気がするがどうしたものか。閉塞感のある話のはずなのに清々しい話になっていた、とか感想を一言でまとめてみてもつまらないし、かといって二次創作ができるわけでもなし。シリーズが終わるまでにどうにかできるだろうか…。