鈴木大拙『日本的霊性』

日本的霊性 (岩波文庫)

日本的霊性 (岩波文庫)

 積読崩しをしてみたが、期待はずれだった。著者は有名だしタイトルも魅力的だけど、中身は薄く、平易ではあるものの切れ味はなし。図式的なのに章立て等に論理的飛躍があり、思いつきで書かれているような感じ。きちんと系譜が述べられているわけでもないし、特に日本的とも思わなかった。解説はさらに凡庸。著者は鎌倉時代主義者で、鎌倉時代は健全で信頼に足るということは分かった。不健全な僕には奈良時代平安時代がお似合いのようだ。室町以降については記述はなかった。