2011-01-01から1年間の記事一覧

りとる†びっち (65)

幼女の言葉が僕を解体する。 作品の構造として折込済みといえるのかもしれないけど、今回は単調に感じてしまったというのが素直な感想。 この汚らわしい存在である自分というものを消し去るために、主人公をあまりでしゃばらないようにしたり、傍観者の鴉に…

感想のまわり

恋物語 (講談社BOX)作者: 西尾維新,VOFAN出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/12/21メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 8人 クリック: 481回この商品を含むブログ (126件) を見る ラノベを読んでもブログで感想を書かなくなってしまってからだいぶ経つ…

花散峪山人考 (65)

放っておいても勝手に失われてしまうものをわざわざ全力で滅ぼす、のは本当はその対象に深く執着しているから、そういう凄絶な形でしか関わりを表せなかったから、だから、伊波が壊したものはすべて彼のものだった、彼とは相容れないような甘ったるいものや…

With Ribbon (65)

夢というのは基本的には過去の記憶を素材としてできているものであって、だとしたら、人は毎晩過去にタイムスリップしているようなもの。過去というのは遠ざかっていくというよりかは、頭の中に蓄積されては次第に断片化されたり失われたりしていく。夢を見…

信天翁航海録 (75)

キサラとシサム: 出身はどこか北米の辺りなのかもしれないけど、すっきりした目鼻立ちとか、きれいな弧を描く上頬のふくらみとか、長い手足とか、おさげとか、低めの声とか、肝の据わった性格とかを見るに、スラヴ系のイメージが似合う。BGMもミハルコフの…

蒼天のセレナリア & 蒼天のセレナリアFD (65)

前から少しずつ読んでいるレヴィ=ストロースの『悲しき熱帯』との関連で、南米を見るヨーロッパ人のようなまなざしで「未知世界」を見ていた。印象深いのは、4000年を超える集中的な利用によってすっかり干上がり痩せ衰えた大地に、終末的で宗教的な感覚を…

まじのコンプレックス (70)

自分でも仕組みがよく分かっていないままに使っている言葉があって、「感情移入」というのはその最たるものだ。自分は主人公に感情移入することはあまりないような気がするけど、だからといってヒロインの感情移入しているかというとよく分からない。この作品…

紅殻町博物誌 (70)

熱い社会と冷たい社会のアレとか生物と無生物の間とかじゃないけど、基本的に動いていないと社会も人も生きていくことさえままならないという腹立たしいルールのゲームに、僕も日々、特に社会人になってからは、藤森のような無神経な営業トークをしながら加…

巨乳性奴会長 (70)

締まりのない身体の線やアヘ顔、目つきが悪かったり顔が長く見えたりして萌えるどころか拒否感を呼ぶ正面向きの顔グラなど、絵的なだらしなさはテキストにも感じられる。HAINさんの独特なお下劣文は、エロさというよりは呪いのような思い入れを背後に感じさ…

元長柾木『星海大戦』

星海大戦 (星海社FICTIONS)作者: 元長柾木,moz出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/04/15メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 22回この商品を含むブログ (13件) を見る 土星側の最高組織が「恩寵会議(ソボールノスチ)」というらしい。ソボールノスチ…

天使の羽根を踏まないでっ (55)

太陽の学園編では雰囲気ゲーとして見ずにすんでいた粗が、話を盛り上げようとした月の学園編では見えまくってしまった。盛り上げようとしてつくる「タメ」や、歌舞伎役者のように切る「ミエ」が、ことごとくわざとらしくて空回り。キャラ同士の掛け合いに驚くほ…

唐辺葉介『ドッペルゲンガーの恋人』

ドッペルゲンガーの恋人 (星海社FICTIONS)作者: 唐辺葉介,シライシユウコ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/08/17メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 7人 クリック: 105回この商品を含むブログ (22件) を見る mp_f_ppさんの評を読んで、相互不理解や…

then-d編『恋愛ゲーム総合論集』とか

きちんと調べていれば面白いものがたくさん見つけられたのだろうけど、今回も行き当たりばったりでちょっと見て汗だくになってすぐに帰ってきた。ライアーのAkiraさんのサークルがなかったのが残念だった。でもソフマップ特典のリリィのタオルを広げていたサ…

天使の羽根を踏まないでっ 夏日ひかる/照

(ネタバレは少なめですがご注意を) また関係ない話から。官公庁のことを霞ヶ関と、ロシア政府のことをクレムリンというように、ペテルブルク市政府のことは所在地の名前からスモーリヌィというのだけど、(本作のアーリャ・レーニナとはおそらく関係のない)レ…

姫さまはプリンセス (65)

断片がフラグメント。プレイ時の雑感です。 1. クリスシナリオを終了。取り立てて何か引っかかるところがあるわけじゃないけど、久々にやったエロゲーの快感が骨の髄まで染み渡り、クリスの運命と幸せに行く末に引き込まれ、心安らぐ思いを味わう。異国の特…

彼女たちの流儀 (70)

目で見てそのテーマを感じると言う意味においてグラフィックありきの作品。別にものすごく絵が神がかっているとかいう訳ではないけど、「美しいものを見せられた」感があって、見るゲームだった。 若干湿り気はあるけど自分の道を選んでまっすぐ進んでいこうと…

流れない時間

しばらくブログを放っておいた間にアクセス数が20万を超えてた。といっても今過去を振り返ったりしても特に何かが見えてくるわけでもないのでこのまま流してしまう。30万に行くときまでこのブログを楽しく続けていられますように。 http://ml.naxos.jp/album…

春萌 (80)

まとめ。 りるけ:http://d.hatena.ne.jp/daktil/20110615 淡雪・灰音・沙緒:http://d.hatena.ne.jp/daktil/20110621

春萌 風真沙緒

以前、さくらむすび(と魔法はあめいろもだった気がする)の感想を書きながら、「もっと密語を」という品のない要望を口にしたが、その要望に全面的に応えてくれた唯一といってもいいエロゲーが最果てのイマだった。密語なんて言葉が本当にあるのか調べないまま…

春萌 藤川灰音

田舎の人の性欲はすごいですね、という感じで、お望みどおりきれいなお姉さんに持っていかれた。

春萌 帆村淡雪

うまく語る言葉が見つからなくて困るが、とても心地よい近さの感覚を与えてくれる話で、田舎らしい素朴なテンポで進む話を追っていくうちに、すっかり雰囲気にのみこまれて持っていかれた。店の手伝いとか、引越しとか、それだけのことでこれだけ心地よいお…

春萌 藤川りるけ

北国の広さと空の青さには特別なものがあって、人は時々それにのみこまれて、ただぼんやりとその感覚に浸されてしまうときがある。そんな場所で生まれ育てば、広さと青さにどこか頭を吸い取られ、感覚を預けてしまったような、元気だけどどこか不思議な女の…

妖精たちの戯れ (TRPGのこと)

ここ何日間か、時間があるときはずっとニコニコ動画のテーブルトークRPGリプレイ動画「大妖精のソードワールド2.0」を見ていた。TRPGはその昔、中学・高校でロードス島戦記やフォーチュンクエストにはまっていた頃に、やはりソードワールド短編集シリーズには…

彼女たちの流儀  涼月

男に触られるときの気持ちの悪さというのを女装する胡太郎を通して意識させられてしまった今となっては、これまで他のエロゲーや小説について書くときに使った言葉で涼月に触れざるをえないことに自分の無力さを感じるものの、それでも人であることの重みを…

メガネとの20年

先日某視力回復出術を受け、ゴールデンウィークを利用して安静療養中。新聞やパソコンの明るい画面を見ようものならまぶしくて眼を開けていられない状態になり、保護用のコンタクトレンズが乾くと異物感にも襲われるという不如意なことこの上ない状態がまだ…

猫撫論

then-dさんの論集に参加させていただくdaktilと申します。改めてよろしくお願いいたします。 猫撫については一度感想を吐き出してしまっているので、いまさら集中して何か書けるか自信ないですが、せっかくの機会なので何とかひねり出してみるつもりです。現…

斎藤環『キャラクター精神分析』

キャラクター精神分析 マンガ・文学・日本人(双書Zero)作者: 斎藤環出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/03/24メディア: 単行本購入: 20人 クリック: 630回この商品を含むブログ (23件) を見る 前に『神話が考える』を動ポモの続編にふさわしいみたいな…

眠りの余白に

花物語 (講談社BOX)作者: 西尾維新,VOFAN出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/03/30メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 18人 クリック: 354回この商品を含むブログ (151件) を見る零式 (ハヤカワ文庫JA)作者: 海猫沢めろん出版社/メーカー: 早川書房発…

朝からずっしりミルクポット2リットル (85)

おねがい……さきっぽだけは、見ないでぇ…… これはパッケージ表面に印刷されている煽り用の台詞で、実際はヒロインたちは裸同然の格好でビール瓶のような陽物を立ててアヘ顔で野外を歩いており、さきっぽだけ見えなければ問題ないとかそういうレベルではない。…

滝本竜彦『ムーの少年』

ムーの少年作者: 滝本竜彦,ヤスダスズヒト出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2011/03/26メディア: 単行本 クリック: 41回この商品を含むブログ (17件) を見る 滝本竜彦はネガティブハッピー・チェーンソーエッヂから、ひょっと…