2016-01-01から1年間の記事一覧

総括とそれをすり抜けるもの

ゲンロン4 現代日本の批評III作者: 東浩紀,梅沢和木,浅田彰,山口二郎,津田大介,佐々木敦,市川真人,大澤聡,さやわか,杉田俊介,五野井郁夫,ジョ・ヨンイル,プラープダー・ユン,福冨渉,黒瀬陽平,速水健朗,井出明,ハンス・ベルティング,安天,辻田真佐憲,海猫沢め…

こころナビ (80)

とてもいいゲームだった。 起動してOPムービーが流れてすぐに引き込まれた。溝口哲也さんという方の作る音楽が好きということもあるのだろうけど、多分、この作品で描かれているようなネットの未来が好きなのだろうと思う。それは音楽にも現れているし、作品…

世界と世界の真ん中で (55)

立ち絵がとてもきれいで大きい。近さは普通なのかもしれないが、布地をたくさん使った服やリボン、ボリュームのある髪などで大きく見える。みんな髪が長く、ポーズもきれいだったり可愛かったりして目に優しい。咲き誇っている花を見るような感覚がある。立…

この大空に、翼を広げて (65)

空とか星を作品名に入れた爽やかそうなゲームが増えたなあと好ましく思いつつも、いまいちな感じのものばかりで見送っていたけど、先日安かったのでつい買ってしまったのがこれ。結論から言うと、パッケージから受ける爽やかな印象以上のすごさはなく、子供…

ノラと皇女と野良猫ハート (75)

ヒロインの個別感想で書きそびれたので一言。おっぱい大きかったです。これだけ揃いも揃って大きいとおっぱいの安売りのように感じても仕方ないですが、とにかく景気がよかった。豊穣感があった。おっぱいは魔法だな。 夕莉シャチ: 「ノラさん」と呼びかけ…

「凪のあすから」の話

最近、偶然なのかもしれないけど「ブルー・フィールド」(蒼き鋼のアルペジオED)とか「a-gain」(蒼の彼方のフォーリズムED)とか、青い色とか空を連想させる歌を買って聴いている(「愛の詩」(学戦都市アスタリスクED)もよい。ついでにナディアのDVDも見返…

石川博品『メロディ・リリック・アイドル・マジック』

メロディ・リリック・アイドル・マジック (ダッシュエックス文庫)作者:石川 博品発売日: 2016/07/22メディア: 文庫 アイドルについてのガチな小説なので、そのシステムにアレルギーを持つ自分にとっては一筋縄ではいかない代物だ。確かに文章は素晴らしいん…

クソゲーの文学性

「クソゲー」というのは必ずしも悪い意味ではなく、ある種の美点を持つアニメを「クソアニメ」と呼ぶ程度にはいい意味のつもりだが、うまい言葉が見つからなかったのでひとまず。 「世界と世界の真ん中で」を始めたのだが、何というか、社会主義リアリズム文…

らぶおぶ恋愛皇帝 of Love! (80)

それぞれの言葉には神経の足か何かのようにコノテーションのフックがいくつも生えていて、言葉に自由を与えすぎると、言葉は分子みたいにバラバラな方向に飛んで、勝手にいろんな言葉を引っ掛けて結びついていく。極端な場合にはそれは単なるナンセンスにな…

星空めてお『ファイヤーガール』

ファイヤーガール3 青銅の巨人 下巻【書籍】出版社/メーカー: TYPE-MOONBOOKS発売日: 2016/03/18メディア: CD-ROMこの商品を含むブログを見る いつの間にか最終巻が出ていたんですね。感想は2年前に書いたものとそんなに変わらなかったと思う。設定を最後ま…

森薫『乙嫁語り』

乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)作者: 森薫出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2009/10/15メディア: コミック購入: 59人 クリック: 1,445回この商品を含むブログ (434件) を見る ヒロインの身体を覆い尽くす装飾文様が緻密であればあるほど、それを追う視…

山本弘『アイの物語』

アイの物語 (角川文庫)作者: 山本弘出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店発売日: 2009/03/25メディア: 文庫購入: 25人 クリック: 168回この商品を含むブログ (107件) を見る 山本弘といえばソードワールド短編集の作家という認識。といっても、ソードワールド…

どうにもならなそうなこと

趣味の壁は三次元の壁と同じくらい高い。言葉で伝わること、説明して説得できることのさらに先に趣味の領域がある。 以前に仕事でご一緒させていただいた関係で招待券をもらい、上坂すみれさんのライブに行ってきた。オタクイベントに行くのは2,3年前のかわ…

言葉の上滑り

描かれていることよりも描かれなかったこと(わざと黙っていたことではなく)が気になるときというのは、何か別のものを欲して無いものねだりをしているときであって、読み手としてはだめなときなのだけど、一期一会なのでたまには覚え書きくらいは残しておこ…

Ю.Тынянов "Кюхля"

いろいろと生活の方は息苦しくて面倒なのだが、悲劇作品を受け入れられるのだから精神状態は悪くないのだと思う。190年前のことを書いた80年前の小説、しかも1987年にノヴォシビルスクで出版された古本だけど、ずいぶんと近しく感じながら読んだ。特に最終章…

乗松亨平『ロシアあるいは対立の亡霊』

ロシアあるいは対立の亡霊 「第二世界」のポストモダン (講談社選書メチエ)作者: 乗松亨平出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/12/11メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (6件) を見る 時折雑誌「現代思想」とかに掲載されていたロシアの批…

西暦2236年 (75)

人をちゃんと見ていないから、人をちゃんと好きになることができない。だから自分の悪いところ、悪い感情を大切な人にも見せられない―――。人間として未熟で青臭い悩みだが、耳が痛いところがある。そういう人間は、好きという気持ちの純粋さだけを問題にすれ…

こころリスタ! (75)

Q-Xの作品をやるのは初めてで、正直なところ体験版をやっても特に強い個性が感じられたわけでもなく、引き込まれたわけでもなかった。絵が結構可愛くて、仮想世界のBGMが飽きの来ない曲だなあ程度の印象しかなかったのだが、一部で高く評価されていたので騙…

こころリスタ! (さち)

メインライターとは別の人が書いたということと関係があるのかどうか分からないが、さちシナリオは結局最後までどこかちぐはぐな印象が残った。さちがなぜあそこまであの丸っこい兄にべったりなのか分からないし、主人公がお兄ちゃんと呼ばれる感覚もよく分…

こころリスタ! (雪音)

雪音はあんまり書くことがないんだよな……。コンプレックスのお話だ。顔が主人公と似ていて地味で眼鏡で、胸が双子の妹よりも控えめで、そういう意味では星歌よりもずっと妹らしい妹なのだが、実は夢見る女の子で、地味な自分が何かに長じたいと思ったら「姉…

石川博品『平家さんと兎の首事件』

平家さんと兎の首事件作者: 石川博品発売日: 2015/12/28メディア: Kindle版この商品を含むブログ (3件) を見る コミケは3日目に用事が入ったので、結局2日目に行って石川センセの平家さん小説だけを買ってきた。その後、秋葉原に行って普段の職場近辺では見…