2015-01-01から1年間の記事一覧

こころリスタ! (星歌)

大昔の記憶なのであやふやだけど、トルストイの『復活』でネフリュードフがカチューシャの斜視の目に惹かれていくというのを読んだとき、斜視という言葉の意味が分からないまま読んでいて、なぜか黒目の大きな目(カチューシャの目は黒くなかったっけ)、どこ…

こころリスタ! (マリポ)

あの口みたいな栗をしているときの立ち絵。あれほど防御力の低い立ち絵は見たことがない。こちらを指差し、攻撃的な威圧感を与えようとしつつも、体をひねって半分横向きになっていて、腰が引けているような、当て逃げをしようとしているような弱気さが思わ…

こころリスタ! (メルチェ)

某麗知恵さんの時は発音がなってないなどと生意気なことを書いてしまったが、スペイン語は分からないの、メルチェがエッチシーンでスペイン語で何かしゃべりだしても余計なことを考えずに楽しめた。メルセデスという名前がスペイン語的に女性名としてどう響…

幼馴染と十年、夏 (65)

他の人の感想を見てみたら、幼馴染とは何かについて百家争鳴のようになっていて笑ってしまうが、そこに自分も加わるようなことは面倒なことはしまいと思いつつも、何か一言いわずにはいられなくなるような魅力的な言葉なのだな。最近読んだ斎藤環センセーの…

サクラノ詩 (70)

はじめに全体に関することを一言書いておくと、「詩」という言葉を冠していながらも、ハードルを下げて説明しすぎなところが多くて悪い意味で散文的だったし、終盤のいいと思ったところ(夢と現実と幸せをめぐる不安)は良い意味で散文的だった。いろんなネタ…

ネコっかわいがり! (60)

オスカー・ワイルドの名前を知ったのは大学生の頃に「サロメ」を読んでからだったはずだが、子供の頃にどこかで読んだ「幸福の王子」の作者でもあることを知って驚いた気がする。「サロメ」の後に「幸福の王子」を読んでいたら、あざとすぎるのではという疑念を抱…

家族計画〜そしてまた家族計画を〜 (80)

なんか細かいことは無視して真に受けたくなる。真に受けて引きこもりたくなる。きれいなお話じゃないですか。現実ってのはこんなに美しくないじゃないですか。少なくとも僕はこんな現実を築きあげることはできそうにない。でもこの作品は別にきれいなお話を…

雪影 (60)

何も知らずにリニューアル版を買っていろいろと閉口するところがあった。無粋なことを書いておくと、つくりかけのままメーカーが解散して公式サイトがなくなったことを、あるときから姉がいなくなって埃だらけの廃墟のような老朽家屋が残されたことにダブら…

驚きのギズモ:猫撫ディストーションが見せる目的論と因果論(2011年)

then-dさん主宰のtheoria発行『恋愛ゲーム総合論集』(2011年、C80)に寄稿させていただいた小文を公開します。then-dさんは丁寧にチェックしてくださったのですが、掲載稿のファイルが手元にないので他のものです。誤字等が残っているかもしれませんがご容赦…

自分だけでは残せない自分だけの記号に

「宇宙のステルヴィア」に続いて「響け!ユーフォニアム」を一気に見た連休だった。自分が渦中にいるときは無我夢中で余裕なんてないし、楽しくて美しい瞬間なんて本当は数えるくらいしかないないのだろうけど、その後に残る痕跡を通して、いつかその日々を…

文学の外側に広がる領域

滝本竜彦のウェブサイト(http://tatsuhikotakimoto.com/)を読んでいた。「光の小説」というスピリチュアルなライト(光)ノベルを連載していて、NHKにようこそも含むこれまでの作品に対する率直なコメントもあったりして面白い(例えばこことか)。一時期は小…

Sense Off (80)

「回想――祭りが始まり、時代が終わった」(『美少女ゲームの臨界点』、2004年)の中で元長氏は、(現在のフォーマットのエロゲーを確立させた)「雫の時代」は1997年のTo Heartから2001年の君が望む永遠までの間だったとの認識を示していて、Sense Offは2000…

へっぽこエロゲーマー

残響さんの「エロゲーマー諸子百家」シリーズに取り上げていただいて恐縮である。なんだか僕がこうありたいなと思うところをかっこよく拾いあげてもらったみたいで、かなり強そうな人になっていて照れる。僕に二律背反だったり謎だったりする部分があるとす…

KISSx500 KISS権、発動 (65)

ふーーーーーーーーーーーーっ・・・まさか結婚後に最初の投稿がこの作品の感想になるとは思わなかったな・・・。というわけで、2009年から6年にわたってプレイしてきたKISSx500をようやく終わらせた。年に1回くらい思い出したように進めてきて、もう初めの…

相思相愛ロリータ (75)

エロゲーのヒロインはそもそも存在自体が僕よりも賢いものとしてあるのだけど、それでも多くのヒロインはぱっと見はあまり賢そうではないので、愚かな自分はあなどってしまうことが多い。特に頭脳派っぽいキャラがぽいだけだったりすると残念に感じるし、そ…

さくらシンクロニシティ (55)

なんだか作品を出すごとにクオリティが下がってきているホワイトソフトだが、今回も手堅く下がっていて期待通りだったorz。一部いい素材もあるのだけど、至る所で緊張感に欠けた演出が顔を出すので、没入感を維持するのが難しい。立ち絵とセリフが合っていな…

しゅきしゅきだいしゅき!! (75)

…タマーラのいない人生など物理的に不可能なものに思えた。しかし、ギムナジウムを卒業したら結婚しよう、と言うと、彼女は、私が大きな過ちを起こしているか、あるいは馬鹿げたことを言っている、と言い張るのだった。 …水兵帽から垂れる褐色の巻き髪の、絹…

ついでに

ついでに書く機会を逃してしまったのを挙げておこう。 田中ロミオ『人類は衰退しました 平常運転』:もう終わったと思っていたので書店で偶然見つけたときには幸運に感謝した。「おふたりさまで、業務活動記録」と「旅の手土産に最適なもの」が特に感慨深かっ…

夏ノ雨 (60)

きちんと感想を書く機会を逸してしまった。ファンタジー要素がなくすべてがストレスのある日常の人間関係の延長で起こるので息苦しかった。あとは絵がほんわかしていたからか印象がぼやけ気味だった。今となってはそこがいいのかもしれないけど。ひなこ(立ち…

帝都飛天大作戦 (65)

最近、サンシャイン60の展望台やら新宿西口の50階くらいのレストランやらに行く機会があったが、いい景色だなあという意外に特に何かを感じることもなかった。ネットに写真やら絵やらがたくさんあるので目が慣れてしまって、都市のダイナミズムに対する感覚…