2012-01-01から1年間の記事一覧

夏空のペルセウス (65)

普段はあまり書かないようにしているが、まずは小言を少し。ワンアイデアの短編集程度のスケールなので時間の経過の中でヒロインとの物語を積み重ねることができなかった、というのはないものねだりになるか。技術的な部分では、目パチ口パクは絵の統一性を…

声の力

マインディアの詳細が語られたレビューを読んで同人の音声作品(「爆乳洗脳術」と「くノ一の末裔」)を買ってみて、新たな世界を開いた。この方は本当に作品を紹介するのがうまい。 思えばKiss+100のBGMのない一人語りのドラマCDにはお世話になっているが、こう…

幻想世界マインディア (65)

子供の頃からの癖が輪をかけて強くなって、RPGでは戦闘を楽に進めるためにレベル上げに没頭して、パズル的な数字のやり取りをしている気分になって戦闘でエロさを味わう余裕が持てない。攻撃やダメージの効果音が鳴ると本当に暴力が振るわれているように思え…

夏服痴漢電車 (60)

メインヒロインの絵に惹かれて買ってそれなりだった。不満点はアヘ顔とかろれつが回らない喘ぎ声とか、下品系の抜きゲーの手法が採用されていたこと。せっかくの痴漢なのだから押し殺したエロさで押し通してほしかった。あとボリュームももう少しほしかった…

Garden (80)

キャラクターとしてはあざみんが、物語としての構成のよさでは小夜シナリオが一番のお気に入りだけど、ここはやはり絵里香を中心に感想を書いておこう。一番強烈で、作品の異常さを最も良く表しているように思えるから。 絵里香シナリオ(声なし修正版のみプ…

わーすと☆コンタクト (75)

読んでいて飽きないおもしろい文章だった。あえて大雑把に3つに分けると、1つめはテンポがよくて楽しい日常の掛け合い。声優さんたちもテキストや絵面の濃さに負けていなくてよかった。空と海がひとつながりになるような青さと明るい日差しとみかんの島、そ…

メルクリア (70)

メルクリアのちぐはぐな設定。ヴェネツィアをコピーしたような街並み、公用語は日本語でキリスト教はないのにサンマルコ広場はあるような、日本人にとっての観光地としてのインブルーリア、スパゲッティの種類のような魔法の名称。――こうした欠点でしかあり…

秋空に舞うコンフェティ (60)

季節が4つしかないかのように考えることからして不正確ではあるけれども、とりあえずそういうことにしておくと、秋という季節はほかと比べてどうなのだろうか、なぜ「秋ゲー」はあまり存在感がないのだろうかと問うてみると、エロゲーが持つ大きな問題系のひ…

Love x Evolution セツ (50)

<・・・>それにペトロニウスの時代に爛熟の域に達したラテン語は、この頃から分解の一途をたどりはじめていた。キリスト教文学の登場は新しい思想とともに、新しい言葉、まだ用いられたことのない構文、未知の動詞、微妙な意味をふくんだ形容詞、当時まで…

再考ロシア・フォルマリズム

再考 ロシア・フォルマリズム―言語・メディア・知覚作者: 貝澤哉,中村唯史,野中進出版社/メーカー: せりか書房発売日: 2012/09メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (3件) を見るなんかうまく書影が出ないのでリンクを貼り。 ロシアの文学研…

KISS+100 KISS特区、始動せり (70)

Kiss x 500は時々思い出しては進めしているうちにもう3年くらい経ってしまい、選択肢が多すぎてどのヒロインを攻略しているのか忘れてしまい、いくらテクストが面白くてやるたびに笑わされることがあっても、さすがにテンションが落ちてしまいそろそろ攻略際…

りとる天使 〜カナタはみんなのヌキヌキえんじぇる〜 (65)

一般論として、世のファンディスクや続編と呼ばれるものが本編との設定的な整合性を壊さないよう配慮されたものであればあるほど、読んでみると安心感はあるものの物足りなさを感じずにはいられない。新しい境地が切り開かれないと読み応えを感じられない。…

高野史緒『カラマーゾフの妹』

カラマーゾフの妹作者: 高野史緒出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/08/02メディア: ハードカバー購入: 2人 クリック: 39回この商品を含むブログ (53件) を見る なってないよと叩くことは簡単だけどもそれで溜飲が下がるわけでもなく、カラマーゾフの兄弟…

不死鬼譚きゅうこん 千年少女 (45)

すっかり頭がいかれてしまったようで、非18禁作品とは分かっていながらも、濡れ場シーンでブラックアウトして事後描写だけされると、出来るはずだったセックスを主人公に奪われたような、寝取られ感とでもいえるような感覚を味わって少し悔しい。非18禁的寝…

植芝理一『謎の彼女X』9巻DVD付き

DVD付き 謎の彼女X(9)限定版 (アフタヌーンKC)作者: 植芝理一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/08/23メディア: コミック購入: 3人 クリック: 73回この商品を含むブログ (19件) を見る ニコニコで第1話を見て次の日に原作マンガを期間分全巻買って、その…

不良にハメられて受精する巨乳お母さん (60)

不良にハメられて受精する巨乳お母さん 〜イキ地獄に堕ちた家族のゲーム〜。この語義的にも文体的にも激しく露悪的なタイトルが、あの誇り高い水仙花に連なる作品の名前なのかという感慨。 甘えむの感想でも書いたとおり、自分はお母さん属性が苦手なので正…

夏の終わり=暴力

今年の夏は有給を取って合計で1週間以上休みがあった。休みがあった。休みがあった・・・。あったけど、食っちゃ寝したり同窓会的な集まりに顔を出したりしているうちに終わってしまった。家で消化しておこうと思った仕事の宿題もあまり手がついておらず、追…

あまつみそらに! (60)

瀬戸内海の島には従姉妹の三姉妹が住んでいて、小学生の頃には毎年夏休みに帰省していた。祖父母が亡くなった中学生以降はあまり帰っていないのがもったいないけど、あの強い日差し、黄色い砂の散る坂道、その脇の水路にいるカニ、エアコンが普及していなか…

星継駅擾乱譚 (70)

絵画っていうのは空間も時間も自由につなげられる空間芸術ですねという意味において、絵画的というか換喩的な楽しさを味わえる作品だった。 冷静に考えるとどこかで見たことがあるような設定や展開をつなぎ合わせたような話であるのに、読み進めているときは…

J.Q.V 人類救済部 (75)

初読時には複雑で頭に入りきらない叙述トリックがあったり、夏コミ追加エピソードが出る予定だったり、クリアから数日たってしまったりしたため今は満足のいく感想を書けなさそうだけど、それでもとりあえず一言。 作中でも言及あったように、主人公の言動の…

いきなりあなたに恋している (70)

タイトルからしていい加減な肩のこらないキャラゲーだけど、思いのほかしっかり作ってあってさすが素晴らしき日々を出したメーカーだった。シナリオが云々みたいなのに関しては特に言うことはなく、どのヒロインのルートも飽きさせずコンパクトにまとまって…

20年遅れの告白

中学の恩師の通夜があって、小中学校の頃ずっと好きだった人から連絡を受けて、その人の親御さんが出してくれた車に乗せてもらって一緒に顔を出してきた。通夜の後に同窓会的な懇親会があって、その後の二次会では彼女とその友達と僕という3人でファミレスで…

本棚鎮守の神

東方プロジェクト パチュリー・ノーレッジ?香霖堂ver.?出版社/メーカー: グリフォンエンタープライズメディア: クリック: 28回この商品を含むブログ (2件) を見る パッケージが邪魔をするのはエロゲーにもあることで、お店に通って手にとっては箱に印刷され…

ゆのはな (65)

ゆのはのお涙頂戴話とそれに毎回泣かされる主人公、それを信じてしまう町の人たち。「作り話」を受け入れてしまうことの不自然さが強調されているモチーフだが、これが何かの直接的な伏線になっているということはなかったようで、この、伏線に回収しないとい…

Rewrite (70)

エロゲーマーは地球の心配をしなくてはいけないのか?確かに、地球が滅びるからその危機を救えみたいな話はマンガとかによくありそうだし、実際にエロゲーでもHello, worldとかそんな感じだったし、最果てのイマだってそういう舞台仕立ての話だったと説明す…

西尾維新『悲鳴伝』

悲鳴伝 (講談社ノベルス)作者: 西尾維新出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/04/26メディア: 新書購入: 4人 クリック: 319回この商品を含むブログ (81件) を見る 『ハーモニー』を読んだときと同じで、いろいろ設定の話はあるけど、結局は女の子たち(在存、…

猫撫ディストーション Exodus (85)

以下、プレイ順の感想です。ネタバレ多し。 とてもやさしく心地よい作品だった。書き尽くした感のある見事な出来ながら、これで猫撫の物語が終わりになるのは名残り惜しくもある。 ●Exodus (この項は再掲) キリスト教を内側から、情念の側から取り上げたのが…

猫撫ディストーションExodus1 (エクソダスシナリオ)

キリスト教を内側から、情念の側から取り上げたのが一連の瀬戸口作品だったとすると、猫撫Exではキリスト教は外側から、あるいは知性の側から扱われる(ライターが本当に信者だったかとかそういう話ではなく)。あえて悪く言い換えれば、意匠としてのキリスト…

Scarlett (65)

ねこねこソフト作品で個人的に一番思い入れがあって、タイトル的に本作と対比させることが出来そうな「朱」を基点に、感想的なものをつらつらと。朱が徹底的に情念の動きの上に組み立てられた物語であり、「現実味」に乏しく、登場人物たちの行動は不条理なほど…

はつゆきさくら (65)

入学式を9月にしようとしている大学もあるけど、年度を4月に始めるのはどういう経緯なんだろう。3月末に桜が咲いて散るからというのが理由だとしたら日本はすごい。どっちがいいとか言わないけど、1年が終わって夏休みだとか、休暇だとかいう欧米ののんきさ…