2006-01-01から1年間の記事一覧

前田和泉『マリーナ・ツヴェターエワ』

こちらも得るものは少なかった。10年以上前に出たカーリンスキーの『知られざるマリーナ・ツヴェターエワ』からの新しい発見がほとんどない。というかむしろ後退している。いわく「本書は学術書ではない」けど、400ページ以上も延々と伝記語られてもなあ。著…

Folklore jam (60)

テンポよく楽しく読めるけど、それに尽きてしまうような。ラノベっぽいコメディで、フォークロアもオカルトもほどほどな感じ。メッセージ性みたいなのがなかった。 丸戸史明氏のシナリオの作品は初めて。ヒット作の喫茶店もののは、前から買おうと思ってはい…

ヤミと帽子と本の旅人 (70)

歪みを抱えた少女が、一人で一生懸命作った世界を共有するのが好き。綺麗なところだけを見せて、自分でも精一杯楽しんでいて明るい。物語を終わらせろなんてForestみたいなきついなことは言わない、静的な世界。 絵が綺麗なのは改めていうまでもないけ…

流されていく最近

いや、流れに乗ることすらできなくてドロップアウトしそうな気もする。知的興奮ぽいものが足りなくて栄養失調で鬱気味。打たれ弱い人間なのでそろそろやばくなってきた。エロゲーと本と仕事の資料と、いっぺんに好きなだけ時間を費やせないのが嫌だ。すぐに…

ぼんやり休日

久々に紙の新聞を読んで、エヴァが能になるなんてニュースがあったり。 観葉植物を買うなどという軟弱なことをしてしまった。小さくてゴミが出ず、見ていると安らぐ静かな生き物・・・。つまりフィギュアと同じなのだ。姫橘(ヒメタチバナ)という名前でこれに決…

西尾維新、戯言シリーズ1・2

第一巻『クビキリサイクル』は面白かったけど、第二巻を読んだら印象は忘れてしまった。 で第二巻『クビシメロマンチスト』。シリーズ中で一番面白いとの評価にたがえず読み応えがあった。構成や文体に関する細かい感想はまたの機会にするとして、とりあえず…

水月 (70)

(ネタバレあり) 攻略順を間違ってしまったようだ。那波シナリオをやったときは待った甲斐があったと思ったけど、その後の最後まで残しておいた雪さんシナリオがインパクト弱くて、全体的な印象が散漫になった。 音楽−物足りない。絵−塗りが淡白なので硬質…

控えめなピアノ

サティのCDを注文した。ロジェ演奏のとバルビエ演奏4枚組の。そのうちいいイヤホンを買って外の音を遮断して聴きたい。最近通勤中などに一番かけているのは高橋アキ演奏のサティ。デ・レーウ演奏のゆっくりしたのも引っ張り出してきて聴いてみたり。最果ての…

感覚の鋭い牙 (70)

荒涼たる現実をユートピアの幸せな色に染め上げる強靭な神経。 エロさについては、抑制の効いたキス音と吐息をたっぷりと聞かされるときの濃さを思い知らされた。うるさい喘ぎ声よりもじっくり浸れた気がした。主人公のモノローグとひたすら交互することは、…

NHKにようこそ!第6巻

(ネタバレあります) このテンションでもまだ「助走」と言える滝本先生の充実ぶりが我がことのように嬉しい。そして、佐藤よりも一足先に「ファーマー」になってしまった自分に不安のようなものを感じる。エロゲーに神を見出し、その神が殺され、それでもエ…

マンガの感想

私屋カヲル『こどものじかん1』 意外と絵も話がしっかりしていた。でもまあ気晴らしになった程度かなあ。設定も画風も単純な表現のインフレに傾きやすいものだと思うけど、せっかく話題になったんだからこの先でがんばってほしいものです。 冬目景『幻影博覧…

レーニンはキノコだった

http://video.google.com/videoplay?docid=7226393389337245716 (字幕なしのロシア語)(Via: volkorn) 1991年制作(ソ連崩壊前だろうか)のアンダーグラウンドな番組『静かなるポップ・メカニカ。ショーロホフとクリョーヒンがキノコを語る』。社会運動家…

平井次郎とプリミティヴィズム

感覚の鋭い牙が終わりに近づいてきた。ESへの感想は一応コンプリート後にする予定だけど、印象は大体固まったのでメモ。平井次郎のいわゆる電波テクストは今作で初めて読んだ。ある種のプリミティヴィズム作品や、異化テクストとしてのフォークロアを読んだ…

ボリス&アルカージイ・ストルガツキー『願望機』

タルコフスキーのストーカーの原作シナリオの一つ。日本語で100ページくらいの短い戯曲なので短編小説程度のボリューム。同収の『スプーン五杯の霊薬』も同じくらい。願いがかなったら、不死になれたら、という設定で話を作ったら出てくるだろうっていう話題…

マル激トーク・オン・ディマンド:上祐史浩

有料会員なのに全然見ていなかったマル激を久々に視聴。相変わらず(といっても当時はあまり関心を持っていなかったので初めてまともに聞いたが)丁寧な話し方でなかなか弁も立つ上祐氏。宮台先生の話も相変わらずなんで、何だか啓蒙番組のような趣。アーレ…

AZERBAYJAN

Traditional Musicアーティスト: Azerbaidjan出版社/メーカー: Chant Du Monde発売日: 1995/11/14メディア: CDこの商品を含むブログ (2件) を見る Le chant du mondeシリーズ(ってどんなシリーズか知らないないが)のアゼルバイジャンの民俗音楽。図書館で…

島みやえい子「O」

Silent HalfのADSRで気になり、SNOWのアレンジでこれはいいかもと思っていた歌姫。ADSRほどの疾走感のある曲はなかったけど、でもなかなかよかった。声が伸びやか。ただし仮面をはじめとする奇妙なコスプレはどうか。初回版付属のPVもちょっとすべっている。…

I've "Short Circuit"

元気がよくておおむね期待通りの質。つまりあえて買わなくてもよかった気もする。恋愛CHU!がリミックスでまったく違った、しかもちゃんと聴ける曲になってた。

霜月はるか『あしあとリズム』

白夜幻想譚を聴いて以来気になっていた歌姫。最果てのイマのOPもよかった。でもこのアルバムを聴いてみたらいまいちだった。どの歌もこぎれいで平板に感じた。単に気分が乗っていなかっただけなのかもしれない。また別のときに聴いて見ねば。

Непрошлое прошлое

最近は抜きげーをしょぼしょぼとやっているくらいで、エロゲーは生活の中心から外れてしまった。エロゲー系のニュースサイトとかを見るのが安らぎのひと時。それではやはり物足りないので、id:crow_henmiさまの田中ロミオファンの好きな作家/作品は?に参加…

雑記

恩田陸『ネバーランド』ネバーランド (集英社文庫)作者: 恩田陸出版社/メーカー: 集英社発売日: 2003/05/20メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 52回この商品を含むブログ (227件) を見る 井上靖の小説(『夏草冬濤』だったか)を思わせる利発な少年達の話。…

CHEERIO! (70)

(少々ネタバレ) 適度に省略されていたり倒置されていたりして行間があるテキスト。主人公のモノローグや説明描写や一部の会話に揺らぎがあって、文意は明確に一つなのだろうけど、読み手に作用する(であろう)感情的なニュアンスが揺れ動くように変わって…

夢幻廻廊 (75)

しっかり調教されて、晴れ晴れとした爽やかな読後感・・・。罵倒されたりお仕置きされたり無視されたり、ご褒美に撫でてもらったりエサをもらったり・・・・・・お嬢様たちに服従する喜びを堪能。キャラ立ちは充分だけど物語性が薄く、各種のマゾシチュエー…

flutter of birds (75)

キャラゲーとはかくあるべきという手堅い出来で、大変楽しませてもらった。ヒロイン達が媚びている萌えゲー美少女という感じがあまりせず、微妙に手の届かない女の子の持つような、爽やか感じがしてよかった。ただし「泣きシーン」はベタすぎてついていくこ…

Silent Half (50)

「半身」となるべきヒロインたちの魅力がなさ過ぎて挫折。凶悪な口癖を前に、メタゲーっぽい話を楽しむどころではなかった。 (以下、軽くネタバレ注意) 残念ながら最後までまともにプレイできなかった。ライターさんの感性がまったく理解できない。それと…

日々雑感

古代研究〈1〉祭りの発生 (中公クラシックス)作者: 折口信夫出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2002/08/01メディア: 新書購入: 4人 クリック: 21回この商品を含むブログ (17件) を見る 古代研究〈2〉祝詞の発生 (中公クラシックス)作者: 折口信夫出版社/…

プロフィールとか

「皆さんのエロゲの選び方を知りたいな」に参加しつつ。 そろそろエロゲーライフが終わってしまいそうだし、総括がてら書いてみましたが、結局いつもの調子に。何かの参考になるでしょうか。 月に何本プレイしているか 5本前後。最近はほぼ引きこもり生活な…

Lien (60)

期待していた笑いと機知のセンスが全然合わなかったし(小市民化したロミオといった感じで、古く思われた)、絵も古くてなかなかついていけなかった。各シナリオの終盤は評判どおりけっこうよかった。キャラの第一印象がみんな非常に悪いけど、話をうまく転…

夏日 (60)

(ネタバレ注意) テーマ(知恵遅れの女の子とか)と声優さんたちの熱演はよかったけど、肝心の物語はいまいち。主人公が無神経で頭が鈍いので、せっかくヒロイン達が健気でも、痴話喧嘩か安っぽいメロドラマに見えてしまう。主人公は明らかに、このヒロイン…

鬱受容理論て誰かちゃんと書いているんだろうな

jericさんの家族計画レビューより: 山田一こと田中ロミオ作品を、家族計画を、他の作家、他の作品と区別するのはいったいなんだろう。自分は「規則正しいシナリオ」にあると思う。家族計画において事件はその効果が最大限発揮されるよう計算され配置されて…