鍵ゲーを思わせるような二項論理の物語。良くも悪くも微妙なEDが多く、余韻が残る。ライターが韓国の方ということに帰していいのか分からないけど、ヒロインたちの描写や文章の端々に異化作用が感じられ、意外なリアリティやユーモアがあってよかった。特に音楽ともよく合っていたミルカの回想が素晴らしかった。エロゲーでこんなテクストに出会えるとは思わなかった。主人公も変わってるけど好印象。ただし、初めは文章に慣れられなかったし、けっこう肝心なところで演出やテキストのナイーブさが顔を出しているのが残念。長所ゆえに短所に目をつぶれる魅力的な作品。
