神樹の館。竜胆とお勉強

 2ch神樹の館スレから。
 未読の参考作家・小説:

森鴎外
小泉八雲
幸田露伴
梨木香歩の「家守綺譚」
岸田里生の「水妖記」
夏の花(原 民喜)
井伏鱒二
加門七海の『くぐつ小町』
『花明かりの庭』の『魂食み』http://www.hanaakari.org/index.html
宮本輝
荒巻義雄「神聖代」とか「時の葦舟」とか「白き日旅立てば不死」「エッシャー宇宙の殺人」

 泉鏡花も1冊ちょいしか読んでないし、既読のものを読み返してみるのもよさそうだ。その前に、積んである京極夏彦の『姑獲鳥の夏』が先か。折口信夫か注釈付きの万葉集あたりを読むのが一番いいような気もする。


 用語等(ネタバレ注意!!)

 ヨモツヘグイは黄泉の国のものを己の中に取り込む、という儀式となるので、それを為した者は黄泉の国の住人に変化するそのため、イザナギが迎えに行った黄泉の国で、イザナミイザナギについてヨモツヒラサカ(黄泉の国との境界)を越えることができなかった。
 (イザナミは戻れるようになろうとしたのだが、イザナギが黄泉の国の住人になってしまったイザナミの醜い姿に驚いて逃げ出したため、イザナミは結局黄泉の国から戻っていない。)
 神樹で言われたのはこの部分に関すること。つまり、あの酒を飲むことによって、館の深部の住人となってしまい、
元の世界に戻ることはできないのではないか、と工月が疑ったいう話。




 真口のオオカミはおそらく、大口真神のことだと思う。
オオカミ信仰の対象で、
「昔、明日香の地に老狼在りて多くの人を食ふ。土民畏れて大口の神といふ。その住める所を名づけて大口真神原(おおぐちのまがみのはら)といふ」
という大和風土記に記載のあるオオカミです。
秩父三峰神社の祭神ですね。




竜胆の花言葉
いくつかあるんだけど(正義、とか貞節、とか誠実、とかもある)
「あなたの哀しみに寄りそう」
こいつじゃないかな。みきタンの哀しみに囚われて長い年月を過ごした竜胆タンにはぴったりだと思うんだが。




竜胆という字が「りんどう」に当てられているのは、竜胆にある薬効が関連している。
 竜胆の根は薬効は確かだが、非常に苦くて飲みにくいもので、それを例えて「竜の胆」と言われている。まあ、良薬口に苦しって奴だね。これをシナリオに当てはめてみると、竜胆とみきの開放のために、麻子、双子、紫織を切り捨てざるを得なくなる、というのに当てはめれないことはないかと(かなり苦しいが)。つまり、竜胆の開放という薬効を得るために4人を切り捨てるという苦い経験を飲み込まねばならなかった。それはあたかも竜の胆を飲むが如く…という解釈はどうだろ?




 雨月物語っつー奇譚モノの古典中の古典のの作者が上田秋成。それで「雨月」の「秋成」をもじったのでは?
 
 (あと、夏越(那越) → 秋成 説も)




 紫織さんの名字の「知里(ともさと)」というのは「知里幸恵(ちりゆきえ)」からとったのではないかと思われ。
知里幸恵は自身がアイヌで、大正期にアイヌの口承文化を採集、編纂、日本語訳を行った女性。紫織さんが民俗学の研究者で、民間伝承を集める旅の先で真珠邸に来たことを考えると当たりっぽいと自分では思うのだが…。知里幸恵が紫織さんのモデルなのか、紫織さんの設定から名字を引用したのか、どちらもありそう。


 主題歌「籠の鳥の孤独」の歌詞。フルバージョンは残念ながらもう公開されていないらしい。

「おひで」いとしひ人
月のなひ 夜にこがれ
宵待ちの花咲く
浮世の夢はいたづらに
惑はせた 何処へ消ゆ
あはれへと 誘ふ声
籠の鳥の終はりなき孤独

「おひで」 待ち侘びてゐた
涙かれ 想ひくちた
帰りたい ただあの日へ
散りてなを 薫る花
誘ふ闇 誘ふ鳥


 スレでは紫織さんと並んで竜胆が人気あるみたいだったけど、何でだかよく分からない。竜胆は声はユニークで好きだが、口調が常に淡々としていてあんまり萌えなかったからなあ。受身に読んでしまった竜胆シナリオだけど、雅な話が盛りだくさんだからまたそのうちに読んでみようかな。
 あと、BGMをセリフごとアナログ録音して聴くっていうのが面白そうだと思った。この作品ならいいかもしれない。