NHKにようこそ!5巻

NHKにようこそ! (5) (カドカワコミックスAエース)
 もう出てたなんて知らなかった。相変わらず強烈で、この「相変わらず」がどれだけすごいことなのかよく分かってないかもしれない。夜中に読んでいて、なんか自分のフィギュアとか直視できなくなり、とりあえず見えないところに避難させた(でも読み終えてから、ゲーマーズで360円で買ってきた等身大(?)びんちょうたんを組み立てた。これも実に出来がよくて当たりだった)。特に、「プレジャーへようこそ!」の生々しさは凶悪で、あのページから先は怖くて思わずめくるのを躊躇ってしまった。マンガ版の連載が始まったときは、タイムリーで絵もきれいだけど、なんだかコミカル路線だし原作の切れ味を再現するのは無理だろーなーと思っていた。でもだんだんヤバさが出てきだして、4巻とかもかなり強烈で、この5巻を読んでついに、これは小説版にも劣らないと感じた。滝本センセは手を抜いていない!マンガの技術的なレベルも高くて、お二人とも身をすり減らすようにして作っておられるはずなのに、才能の枯渇を感じさせない(編集者がいいのだろうか)(芥川賞は彼らに!)。前にプレゼントに応募したときのアンケートに、もっと暗くてきつい話をどんどんお願いしますとかかなり恥ずかしい調子のファンレターを書いたのを読んでくれただろうか。滝本さん、大岩さん、あれから僕は落ちるところまで落ちましたよ!挫折しましたよ!でもなぜか就職はできそうですよ。でもNHKを読むと、自分が成長するなんて幻想だろと思ってしまいそうで危険ですよ。・・・・・・。原作にはなかったエロゲーの話が豊富なのが嬉しい。新作がなかなか出なくても、このマンガがすごいから待てる。エロゲーつきの6巻は勿論予約する。佐藤が原作だから期待はしないでねとあるけど、それでも期待しないのは無理だ。先日見たアニメの第1話もかなりのクオリティだった(ノックノックノック・・・とか、岬ちゃんとか)。ネットではハルヒはポストエヴァだとかいろいろ言われているけど、後番組のNHKでまた見事にエヴァに戻っているのが非常に愉快だ。これでちゃっかりブームに火がついて、エロゲーの認知が広がったりしないかなあ。まあ、そもそもこっちはほぼ小説版に忠実に進むのかな。それにアニメだしGONZOだからオシャレでサワヤカな成長物語要素が入ってきてしまうのだろうか。OPがなんかBECKみたいだしなあ。あと怖いのは、アニメを見た後では、マンガも小説も声優の声でしか読めなくなってしまうことだ。岬ちゃんの声はきれいで新鮮だし、佐藤の声はやや太すぎでぎこちないけど、それはそれでなんか生々しいとも言えるので今のところ問題はない。でも、回が進むにしたがって耳に染み付いてしまいそうだ。それはともかく。滝本氏はどんなエロゲーをやっているんだろうか。昔はじるすをやってたと聞いたことはある。5巻の終わりの意表をついた展開を見るにつけても、あの「真・超人計画」の佐藤心氏と少しイメージが重なってしまう。滝本氏は僕と年齢が同じだし、(多分)同じく綾波レイの被災者だし、いろいろと(不躾な)親近感を感じてしまう。滝本氏、佐藤氏、kagami氏の3人で座談会とかやってくれないかなあ。・・・・・・。とにかく満足の第5巻だった。ちょっと不安なのが岬ちゃん。どこまでリアリティがあるのか分からない。滝本氏も脳内恋愛の上級者だし、リアリティがあればいいってもんでもないし。改めて4巻付録の岬ちゃんフィギュアを眺めて、そのまがまがしさを感じる(フィギュアの出来の話ではなく)。顔が見えない角度で置くのが一番いいようだ。