またアンジェリカ雑感

 もう半年以上同じようなことをやっているのに、いっこうに飽きないどころか、やっと楽しみ方が分かってきたような気がする姫騎士アンジェリカ。抜きゲーも奥が深い。お気に入りのフローラはレベル4になり次第に加速してきた。CGが少なくて何度も同じ絵が使い回されるけど、それでも毎回のように未読は飛ばさず聞いてしまう。なんなんだろうなこれは。絵も声もキャラもいいからか。一枚絵はなかなか丁寧なものが多い作品だけど、特にフローラのおしりには毎回感心させられる。肌色、うすいピンク、うすいエメラルドグリーンという色の組み合わせも目にやさしいし、音楽も穏やかで。
 クリスは色の組み合わせもデザインもキャラも重たげ。キャラ自体は弱さも持っているので、ストーリー的なフックが来ればすぐに感情移入できそうで、現にけっこう好きなヒロインではある。アンジェリカは残念ながら、(演技が凄いのはわかるが)声も色もデザインも、ついでに言えば音楽も、まだ引っかかってこない(放尿して泣かしてしまったときはちょっと興奮したが)。ルートに入ればまた別なのだろうか。
 フローラたちは絶頂を迎えるタイミングが、主人公よりもワンテンポ遅いことが多い。これは線状の表現手段である文章上で、射精した旨とヒロインが絶頂を迎えた旨の二つのことを表す必要があるため、仕方のないことではある。2行同時に表示するという手もあるけど、これは演出としてちょっとトリッキーでわざとらしいため、演出家という第三者の存在が意識されてしまってよろしくない。作品によっては射精の文章表現は最小限にして、絵のほうに任せてしまう場合もあるかもしれない。本作の場合は盛り上がってきたところでどこに出すか選択肢が出たり、ヒロインの絶頂がワンテンポ遅れて、さらに3クリックくらいかけてクレシェンドで表現されるので、主人公とタイミングがずれていることが少し気になる。この神秘的なズレは何なのだろうか。まあ僕はヒロインどころか主人公よりも先にゴールしてしまうことも多いわけだが、ともあれ、この寂しい断絶は調教と陵辱というテーマを暗示しているようであり、プレイヤーとヒロインとの絶対的な距離を暗示しているようでもあり、また逆に、プレイヤーに息を吹き込まれることによって初めて生きた存在となる、エロゲーヒロインという存在の、精一杯のやさしい「まごころ」の表現であるような気もする。フローラは射精するとすぐに妊娠したといって幸せそうな顔をする。本当はしないと分かっているのかも知れないけど、それが彼女なりの感動と愛情の表し方なのだ。そう言われると本当に幸せにしたくなるものだよ。