planetarian追記

 評価を変えます。またkeyの軍門に下ってしまった。月森さんのレビュー(http://d.hatena.ne.jp/tsukimori/20060430/p1)を読んだことと、初回版付録の小説の「星の人/系譜」の章をネットで見つけて読めたことが大きいです。
 つまり、チンプだのセンチだのの様式の問題で躓いていたけど、そんな風に読み流してしまえるほどの心の余裕が僕の生活や僕の世界にはない、そんな偉そうなこと言えないほど僕自身が殺伐といているだろ、という感覚に、今朝薄暗い部屋で目を覚ましたときに包まれたから。ゆめみがロボットであるという壁を感じさせられるほど、そんなゆめみに狂わされる屑屋の貧しさが際立つ。これは暗い話だ。こつえーさんの絵の可愛さや宮澤賢治の童謡(の見た目の癒しぶり)に騙されるけど、こんなロボットに救われてしまうなんて、悲しすぎる。「ちょっと」人間らしいゆめみが、その曖昧で際どい位置から発する少しずれたメッセージや、彼女の自足して閉ざされた心。人間にない天国を生きているロボット。彼女の30年はあまりにも暗く、そのあとの1週間は奇跡的に美しい。猫の地球儀もそういうギリギリの話だったけど、本作は暴力的なまでに機械であるゲームだからまずいのです。