R.U.R.U.R続き―――ミズバショウ

 ミズバショウルート終わり。最後が教訓くさくてもったいない終わり方だった。星の王子様が好きになれないのはこの説教くささなんだよな・・・。平易な言葉のくせに、異論を許さないような予定調和的な。まあミズバショウとハッピーエンドを迎えて不満なわけはないんだけど。
 ミズバショウタイプ(「あらあら、まあまあ」とか言うおっとりお姉さん系プラスあのエルフカット)のヒロインは今までの経験から言って深くはまれないことはわかっていたのだけど、今回はなぜかかなり感情移入していた。『ゴドーを待ちながら』をエロゲー化してみたらどうなるのだろうか。自分達の存在に意味を与え、世界を変えてくれるゴドーの到来を長く待ち望み、やってきたゴドーに全てを捧げて尽くし、大事にし、幸せを願い・・・挙句にそうした気持ちが母性愛や恋と一体になってしまう(ゴドーは異性でもいいだろう)。あともう一つは、ギリシャ神話のメディアのような、愛のために自分の持てるものを惜しみなく捨てながら迫る女の凄み。ミズバショウ花言葉は「美しい思い出、変わらぬ美しさ」だそうだけど、これはあまり彼女と合っていないような。なんかもっと恐ろしい母性みたいな、クリステヴァのいうアブジェクシオンみたいな話っぽかった。ヒナギクが憧れるのも納得(そういえば、今回は夢幻回廊のときとはまったく違う文脈で出てきた、人工の何もないメタ的な空についてのヒナギクのモノローグは、なにやら悲しかった)。最後が小さく綺麗にまとまってしまったが。
 あと、「レム」っていうのはスタニスワフ・レムのことなのかな。ソラリスも『虚数』のゴーレムも人工的な心や知性についての話だったし。