今日の朝日新聞の夕刊にクラムスコイの「見知らぬ女」の鑑賞記事があった。筆者によると、今風に言うなら「ツンデレ」だそうだ。
あまり深く考えたことはなかったけど、確かに記事にあった通り、南方系(グルジアとか)の顔立ちをしている。この絵が描かれた1883年ごろには、まだロマン主義やらプーシキンやらの伝統で、ツンデレのファム・ファタルと言えば南方系やジプシーの女のイメージだったのだろう。本来は無関係だけど、今でもたまにトルストイのアンナ・カレーニナのペーパーバックの表紙に使われたりしている。どうでもいいけど、アンナ・カレーニナの視覚化といえばソフィ・マルソーのほうがまだしっくり来る気がする。
戯れに、記憶を頼りにロシア絵画の中からエロゲーヒロインの属性とかで美人を探してみると…。
・委員長(「女学生」、1883年、ヤロシェンコ)
・伝奇系獣娘(「白鳥姫」、1900年、ヴルーベリ)
・メンヘル系?(「聖母子」、1885年、ヴルーベリ)
・お嬢様(「ロプーヒナの肖像」、1797年、ボブリコフスキー)
・おしゃべり娘(「ナルイシキナの肖像」、1799年、ボブリコフスキー)
・田舎のお姫様(「エウロペ略奪」、1910年、セローフ)
・亡霊系(「ライラック」、1900年、ヴルーベリ)
・引っ込み思案(「ペルシャ絨毯を背にした女の子」、1886年、ヴルーベリ)
・白痴(「アリョーヌシカ」、1881年、ヴァスネツォーフ)
・ツンデレ(「灰色狼に乗ったイワン王子」、1889年、ヴァスネツォーフ)
・雪娘(「雪娘」、ヴルーベリ)
・強気系(「ハムレットとオフィーリア」、1883年、ヴルーベリ)
・ぼんやり系(「貯水池」、ボリーソフ=ムサートフ)
・田舎娘(のコスプレ)(「山の上で」、ネステロフ)
・ロリ?(「地下の国の三人のお姫様」、ヴァスネツォーフ)
単なる懐かしい絵の懐古になってしまった。実家の画集たちを見ればもっとかわいい美人の絵が見つかるかもしれないがそれはまたいつか。