素晴らしき日々雑感 希実香の背中 (Looking-glass Insects 1)

 先に進んだルートがハッピーエンド過ぎて、残りの選択肢を選ぶのが怖いんだけど・・・。
 穏やかな日常というのはこうも危ういバランスの上に成り立っているのか。世界に抗う女の子たちということで、あんまり似てないけど桜庭一樹の小説とかを濃厚にしたような読後感。ざくろの声は一人称になると神秘性が減じて、横山やす子のような間の抜けた感じになることも。シラノ・ド・ベルジュラックを読んだきっかけは何だったっけ。映画がとても良かったことは覚えている。こんな戯曲を女の子と語り合えるとか至福過ぎる。それが破綻せずに成立するような世界がこの作品にあることが奇跡的。そして卓司のフェードアウトがなんだかさびしい。
 それにしても。前章の希実香とこのルートの希実香は、どちらも同じように精一杯生きているのに、どうしてこうもちがうのか。めまいがしそうだ。
 そしてそういう隙間や落差の中のひとコマとして浮かぶエッチシーンがまた幻想的。