冬の終わりに

 ブログを始めてちょうど8年、最近はめっきりペースが落ちてしまったが、平均して週に1回くらいはエロゲーの感想を中心に書いていたらしい。アクセス数が30万になった。家はなくなってしまうが、せめてブログくらいは引っ越さずに続けていきたい。ロシア語を始めた頃の教科書の書き込みとか、筆写した詩のノートとか卒論用のメモとか、あるいは単に昔読んだ本とか、この先何かの役に立つことは絶対にないけど、何となく捨てるのが惜しくてダンボールに放り込んでしまった。小説やエロゲーに出てくるような引越しをしない古い家の倉に眠る古い本のように、夢中になってどこかへ向かっていた時の何かの痕跡は、別にそれが何かの事件の暗号とかでなくても、自分のものであって自分のものでないような感覚、今と過去の区分を揺らがせるような存在感を持っていて、ネットをやっていなかった時代なのでファイルとか紙の質感だけでも不意打ちしてくる。ブログはそういう物的な感傷は持ち得ないけど、いつかふとした時に迷い込める、役に立たない倉として引っ越さずに残しておきたい。あんまり女々しいことばかり書くとうんざりするかもしれないけど、その時その時の記憶や感傷、感じたことは、時間を経て振り返ると不思議な容貌で立ち現れてくる。文学とかでは散々取り上げられてきたことだろう。実際に自分の身に起こったらしい。きちんと言葉にできるような力がないから、今回もまた流してしまうけど。