キラ☆キラ①

 昨日は残業を早めに切り上げて一路秋葉原へ、予約していたものを無事買った。8700円とかって、今まで出一番高いエロゲーだ。作品スレの方はすでにネタバレ気味の書き込みが多くなってきているようなのでストップ。
 今日は会社の人のお誘いも体調不良ということで断り、贅沢に体験版ですでに読んだ初めのところから始めた。
 まあまだ前半なんであれだけど、僕にとって2作目となる瀬戸口氏は、今回はちょっと緩いなあという印象。偉そうな感想だけど。ノーフューチャー、現実逃避、でもそこまで弾けられない、という鬱屈が一つのテーマだと思うんだけど、雰囲気が明るくてのんきなんで中途半端な気がする。甘っちょろい観光気分で、キャラデザもなんかそういう感じだし。もちろんバンド物として面白さ、読み応えは世界ノ全テなんかの比ではないのだけど、音楽の話なのに、今のところ、音楽面ではCARNIVALに及ばない感じ。軽快なのばかりだし。CARNIVALは最初から突っ走ってたからなあ。ていうかCARNIVALの方がよっぽどノーフューチャーだ。本作の行き当たりばったりにはいわゆる「ゆとり」な部分がある気がする。もちろん殺伐で過激な話になればいいってわけじゃないけど、どのキャラもいまいち中途半端で、何かをがんばっている感じではない(その意味ではリアル)。そんな中で最初に進んだルートで、その「がんばり」に思わず不意を突かれたのが・・・・・・恩田ルート。・・・・・・。いったん落としておいて、最後になんか妙に気合の入ったエンディングになっているのにやられた。アレはありかもしれない・・・・・・。一瞬目がくらんでしまって、再開して別ルートに進むために違う選択肢を選ぶのがちょっとためらわれてしまった。
 小ネタはけっこうあって読み物としては飽きない。社会人になって以来、仕事柄名産品とか馬鹿にできなくなってしまったが、そういうステレオタイプもきちんと拾っている瀬戸口氏にちょっと頭が下がる。後は、とくにRPGドストエフスキーネタは面白かった。プレストプレーニエ・イ・ナカザーニエ=Преступление и наказание=罪と罰。有名な話だけど、「罪」にあたるロシア語は正確な訳語を当てるなら「犯罪」で、語源的に逐語訳すると「踏み越えること」なんで、まあこの作品のテーマとも無関係ではない。あと、列挙すると、車椅子のリーザ=カラマーゾフの兄弟でアリョーシャと近づくリーザ・ホフラコーワ。腐った長老の死体=同小説のゾシマ長老。踊るエカテリーナ=罪と罰のソーニャの母でヒステリー気味のエカテリーナ・イワーノヴナ?。部屋を守る悪の老婆、鉄の斧、峰打ち、石の下に隠す=罪と罰の老婆殺し。父親が殺されている=カラマーゾフの兄弟。拳銃を撃ってくる妹=あまりよく覚えていないが悪霊にスタヴローギンを撃とうとした娘がいたような。あ、そういえばドゥーニャに撃たれたことにショックを受けてスヴィドリガイロフがアレだったったけ・・・。こんだけドストエフスキーネタ入れてもらえると親近感わく。さあ、続きだ・・・。