雑記

 ゼロアカのイベントは僕も何か応援できるかと思っていたけど、結局も今日も出かけずに引きこもっていた。みんなそれなりに面白そうなことをやっておられるけど、個人的に関心の対象がストライクという人がいなくて。エロゲー批評をやってくれる人も僕とは論点がかなりずれそうな感じ。エロゲーはとことん個人的なジャンルで、そこが小説やアニメとは違うエロゲーの可能性なわけで、そこのところを理論的に突き詰めて欲しいなあと思うわけで。その可能性の中で戦っている作品たちの中からひときわ輝かしい何かを創造している作品を嗅ぎ分ける、そんな能力のある人を待っている。刺激的な論点を用意した東浩紀さん自身が、個人的な嗜好みたいなのを自分の批評に盛り込むのが不得意だと、自分の批評の文体について認めているわけで、そこをなんとかできる批評家が出てきたらかなり楽しみ。まあ文フリにも行かなかった人が何を言っても場違いなのでこの辺で。
 (追記:無責任なことを書いたら小市民ぶりを指摘されてしまったようで恥ずかしいです。考えが変わったわけではないけど。)


1巻asin:4094510249 2巻asin:4094510451
 ゼロアカつながりで『イメイザーの美術』というラノベの1巻と2巻を読んでみたけど、これが残念な出来だった。戦闘描写とか全くどうでもいいし。オクタヴィオ・パスからのエピグラフとかあるから嬉しくなっちゃったけど、文章がゆるゆる。ガガガの編集者はこんな文章でも通してしまうのかと。でもストーリーはけっこう面白かったりした。もう何年も前、パスの『泥の子供たち』(『弓と竪琴』だったっけな?)が珍しくロシアのモダニズム詩人とかも論じられているから買ったきり積んだままにしてあったのを思い出した。モーリス・バウラの本とか、まだロシア語の文献を読めなくて翻訳書に飛びついていた頃がちょっと懐かしい。ロシアのフォークロアを設定に使った萌えキャラが出てきてこれまた嬉しくなっちゃったけど、なんか英語とかフランスと語とかで呪文みたいなのを詠唱しだしたりして困惑。灰色オオカミも普通は男性だしなあ。逆に火の鳥(ジャル・プチッツァ)はどっちかというと女性。まあ、やるんならやはりルサールカ(水妖)が面白いだろう。基本的にはゲルマン系のウンディーネと同じなんでインパクトは薄いかもしれないけど、場合によっては恐ろしい老婆で、萎びて長く垂れたおっぱいを引きずらないように肩にかけて、すごい勢いで全裸で地上を走っていたりする。普通は若い娘たちで、フナとかを食べながら水の中でおとなしく暮らしていて、時々うっかり漁師に銛で目を突かれたり、網にかかったり。まあそれはともかく、何か面白いラノベがあれば読みたいけど、いまいちアンテナに引っかかるのがない。