人妻コスプレ喫茶2 (75)

 エロゲーに現を抜かす本当に最低の屑な人間にとって、まことに居心地の悪いの現実というやつのひとつが、家族の問題・親の問題。この点において、本作はけっこう大胆な変態ゲーム。何しろ母親との近親相姦が、ただ単に背徳とか母胎回帰幻想とか、どっちかというと「分かりやすい」モチーフと結びついているだけではなく、母親と幸せで濃厚なHをすることが、寂しさを抱える母さんへの「親孝行」となってしまうのだ。これは鮮やか過ぎる切り口。童顔でぼんやりロリ声で巨乳な母さんに煩悩をぶつけることが、母さんの幸せのために尽くす行為へと裏返ってしまう。何なんですかこの綺麗に閉じた円環は。母親ゲーってほとんどやったことないけど、みんなこんな危険なものなのだろうか。桜子さんがグレートマザーな恐ろしい母親としてではなく、苦労しても健気にがんばっている「女の子」として描かれており、「この人に幸せになってほしい」と思わせてしまうところが上手い。
 桜子さん以外はみんないわゆる人妻との不倫が正当化されるシナリオだが、これはそういうシチュエーションを楽しむためのシナリオであって、テーマうんぬんではなく、だからこそハッピーエンドがあっさり受け入れられすぎてしまって妙なところもある。正直、テンプレートからほとんど出ないキャラ造詣と、黒髪ロングの代わりに金髪やら緑やらの目の疲れる髪の毛のヒロインと、いまいち淡白な立ち絵(本作は一枚絵はいいけど立ち絵はダメ)と、やれどもやれども終わらないHに、くたびれた。でも最後の(ハーレムルートは未プレイ。あとでやるかも)桜子さんシナリオでは、倫理の問題がきちんと触れられ、それが鮮やかに無効化されている。これは上手いバランスだと思う(もともと本作に興味を持つきっかけとなったkagamiさんの感想も参照)。
 歳をとることのない「母さん」と交わって交わって交わって喘がせて喘がせて喘がせてエッチで幸せな日々を過ごしていく・・・。田舎の母さん、あなたの息子は「心の母さん」を見つけて立派な変態になりました・・・。アトリエかぐや、やってくれた・・・。まさに18禁のエロゲーでないと得がたい境地を垣間見せてくれた。