i love yuu (70)


 「ひまわり」を買いにいったらなかなか見つからず、気がついたらコレだけ買って店を出ようとしていた。あのSlaveの最後の作品らしいしということで、買ってしまった(初Slave)。ヒロインが幼児語であること、4Pばかりであるということ、コンプリートできないこと、パソコンのスペック不足で一部動作が鈍ること。それでマイナスしてこんな点数だけど、期待通りの綺麗な動くエロゲーで、それなりに楽しませてもらった。
 以前、旅行代理店に置いてあったモルディヴの南国リゾートのチラシを見て、そのあまりの非現実的なきれいな写真に、軽く気が遠くなりかけたことがある。僕の住んでいるところや出張で行くところは、狭かったり薄暗かったり寒かったりするところばかりで、あのイーガンのシュミレーション世界のような真っ青な南海の小島の、シュールなまでに明るくて何もない場所は、とてもこの世のものとは思えなかった。世の金持ちはこんなところに行けたりするのか、となんだか嫌なショックをちょっと受けた。
 そして僕はそんな南海のありえない砂浜にエロゲーで行くわけだ。周りには何もなく、明るくて、広くて、BGMもなくて、波音だけが聞こえるだけの場所で、ただセックスだけをするために。時間は流れない。天国が地獄に近づく、青い牢獄。4Pや乱交はそんなに好きではないので、主人公が3人に分裂しているということに、した。このイーガン的な世界ならそれもありってことで。「余計」なものを極力削ぎ落として、絵と音のエロさ・美しさだけに語らせる。これぞ日本的な間(マ)の美学であり、寡黙な職人工芸の一品?・・・たまにはそんなのもいいかな、と。