クラナド音楽

 にしても、クラナドの音楽ってちょっとストーリー性が強すぎっていうか、通俗に堕しかけた癒しっていうか、あやういところがあるんだよな。エンヤのいかがわしさにハマったことのある僕としては、これはくせものだ。泣かせどころの曲が怪しいのが残念。でも「追想」とか「夏影」とかは、それ自体は泣かせ色は控えめで、むしろ抑制が効いていて凄みもあるんだよな。「小さなてのひら」の歌はその点ちょっと不器用なのだ。メロディ自体はいいのに、ああいう風に歌詞を乗せるとちょっとゴリゴリ押される感じがする。せっかくのLiaの歌もエンヤくさいし、なんか英語が空ぶってる感じがするし。音楽の場合は文章に比べてこの不器用さを好意的に受け取るのがやや難しいです。