やっとタイトルの意味を実感。本編のほうの感想とごっちゃです。
孝之はしつこい。誠意を見せろとかしつこく迫ってくる人情派タイプで、現実にいたらこういう距離感は暑苦しいだろうだろうけど、でも女の子には信頼されそうだしもてるかもしれない。自分がもし女だったら、こういう恋人を自分のものにできたらいいだろうと思う。神秘的なところや危ういほどのキレはなくても、安心して寄りかかれるし、人のことまでいちいち抱え込む体力があるから。言葉や態度で表せないものなどない、だからお前の気持ちを見せてくれ、俺も見せるから。暑苦しい。表現の不条理や不可能性で悩むメタゲーや、少女を幻想的なものとして提示する鍵ゲーとは違った、まともな人の正しい恋愛。いいお父さんになれるよ。世の中には本当にこんな風に生きている人もいるのかもしれないが、僕にとってはこれはいい意味で誇張されたファンタジーであって、こういう風に人を愛することができるというのはまぶしく感じられる。正しい人が正しい幸せを手に入れるのは当然の報酬。これ（「君が望む第1章」）は報酬の作品であり、その当然の幸せの感じはラジオとかにも漂っている。声優インタビューではこのあまりの正しさに対するちょっとした戸惑いみたいなのが出ていて、しかもそれが長い時間この物語と付き合ってきた人達の貫禄でもってきちんとまとめられているので、聞いていて面白いし安心できる。
第１章の物語自体は、この暑苦しさには今更なかなか入り込めず、かなり読み流してしまったが（せっかく主人公ボイス付の試みもされているけど、早々に切ってしまったので感想書けない）、作った甲斐はあるものになっていたと思う。出来自体は別に飛びぬけてすごくはないし、エロが少ないのはちょっと残念。
このまぶしい世界の幸せに自分がどれほど与れたのか自信がないが、このまぶしさ・あたたかさは決して忘れてはいけないものだと思う。偏屈な人ほど、ここは愛美のように無条件に謙虚になるといいのだろう。遙やその他のヒロイン達とあんなふうな幸せを迎えることができたら、本当に時間は止まって永遠が始まりそうです。これが唯一絶対の幸せの形ではないけど、僕もこの幸せには憧れるので降参します。なんかエロゲーの感想でこんなこと書くの恥ずかしいんですが。
