- 作者: 西尾維新
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/09/06
- メディア: 新書
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町田康の小説みたいな疾走感があるわけでもなく、淡々と世界の論理に振り回され、幽かな手がかりにすがりついてどうにかやり過ごしている一方で、誰かが感想で書いているように、これは傷ついた主人公が引きこもってじっと傷が癒えるのを待つために作った繭としての世界であり、現実逃避のための夢であり、主人公にとって都合のよい予定調和の世界でもある。それを熊の少女は肯定も否定もしないが、それでもそこで待っていてくれるのだ。