増補 サブカルチャー神話解体―少女・音楽・マンガ・性の変容と現在 (ちくま文庫)
- 作者: 宮台真司,石原英樹,大塚明子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/02/01
- メディア: 文庫
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本書で扱われている期間は一昔も二昔も前だけど、基本的なパターンはだいたい出つくしてしまっている感がある。僕の人格にあったコミュニケーションのパターンと親和的なジャンルは、新人類登場前夜の乙女ちっくとかその辺だろう。赤毛のアン的な感傷的な意匠で身辺を飾り、現実を遮蔽し、癒しを求めがちなタイプ。私を分かってくれるのはあの人だけ。物語や音楽は、人と盛り上がるためのツールではなく、自分が一人で耽るためのツール。同時に、こういう理論的な問題にも関心があるニヒリストタイプ。大体この二つの間を行ったり来たりしている。こういう人格にとっては、エロゲーは理想的とはいえないまでも、けっこう合ってるんじゃないかなあ(やる時間さえあれば)。オタク化以前に一時期聴いていたポップスが女性ボーカルばかりだったことも、歌詞が気に入らずポップスから離れてしまったことも納得。男性ボーカルで唯一わりと聴いていたのはミスチルだが、宮台氏はミスチルについてはどこかでなんか特別扱いしていたな。いまいちよく分からなかったが。そのミスチルも聴いていたのはアルバム『ボレロ』まで。先日とある事情でその後のアルバム『シフクノオト』を買って聴いてみたが、なつかしの90年代の空気がまだ引きずられていた感じがした。高くて平たい声と、重苦しく閉塞したちょっとしつこい歌詞と、骨太で時々感傷的な感じの伴奏の組み合わせ、に分解されるかもしれないミスチルの個性は、さらに爛熟気味だった。この欝波動を彼らはどこにぶつけているのだろうか。ちゃんと受け止められているのだろうか。機会があったらその次のアルバムも買ってみようかと思う。