つばめのこと

 久々に一般人向けの本を読んだ。本当はもっとこういうのを読む時間を作って頭の血の巡りを良くしないといけないんだけど、立ち止まって塞ぎ込むのも好きな非生産的な性格だから困る。つばめは出産や目にゴミが入ったときなど、何かを排泄することを助ける力を持つ鳥とのこと。つばめの巣から石を探して目の病気の薬とするという男子の成人のためのイニシエーションは、つばめの巣に手を突っ込んで開眼するというエロティックな意味があるのだという。冬の間は水に潜り、春になると地上現れる、季節の転換を告げ豊穣を約束する鳥。乾いた天上の鳥である鷲と対立する女性的な鳥で、ロシアの民間伝承によれば、つばめを殺すとそばかす、にきび、日焼けのシミが出来るとのことで、また、ロシア語のつばめ「ラースタチカ」は愛撫を意味するラースカと語源を同じくする。また、恋のおまじないとしてつばめの心臓を乾燥させて胸飾りにして、「つばめが渇くように、私のあの人を思って渇く」といわれたという。中沢新一による南方民俗学の改題とかを読んでの風邪の日のうわ言。