青の獣愛 (65)


 垢抜けないところが多かったけど、なんだかんだ言いながら最後まで進めてお世話になった。線の狂った絵が多くて、それがうまい具合に狂っているときもあった。基本的にむっちりした感じなのはよかった。まきいづみさんはその人気の割には地味目なヒロインしか知らなかったけど(檻の中のわたしのナオや朱のファウ)、今回も地味だった。しかし好演だった。声のおかげで、やや微妙なエッチシーンがずいぶんと盛り上がった。育ちのよいお嬢様が強要されてねっとりやっているというシチュエーションによく合っていた。おとぼけキャラがいいのかもしれないが、そうでなくとも声がのんびりしているだけに、こういうハードな抜きゲーに真骨頂があるような。
 ダメなところはいろいろ。まず絵が線とか表情とか残念なのが多い。サブヒロインの痴女二人とか、本当に不細工に描かなくてもいいものを。この二人は声も壊滅的に合ってない。せっかくの黛薫の人や渡会泉の人が・・・。全体的に、おっさん向けの大衆誌的で、殺伐とした下品なエロテイストが絵にもテキストにも漂う。シチュエーション自体はけっこうエロいので、こういう無神経なところをもう少しうまく見せるようにしたら、いい作品になりそうには思う。
 音楽は何気にタイトル画面のがよかった。
 パッケージ絵レベルの線の整った絵は少ない。絵買いした身としては、そこと頭の悪いテキストにちょっとがっかりしたけど、結局はまきいづみの好演と、エロいシチュエーションと、むっちりした絵にそこそこ楽しませてもらえた作品だった。
 おまけのドラマCDはまた無駄にコミカル路線に行ってしまっていたが、こっちも本編系の陵辱聞きたかった。和気藹々で終わらせると後味がよくなってしまう。