朝凪のアクアノーツ (60)

よい作品名と設定を持ちながらも全体的に垢抜けなさ過ぎて余韻が弱まってしまって、けっきょく感想らしい感想も書けないのが残念。時間軸を引き伸ばして、眩暈のするような運命の話になるのがかなか。時間軸を圧縮して、一瞬の中に永遠を垣間見させるのが深緒。時間軸をメビウスの輪のようにねじって、互いを反響させあうのが友里子と向日葵。(約一名は半分眠りながら進めて、話を覚えていないので省略)。それらの背景にある、夏の海と人魚伝説の神話的な磁力。後はこの設定とゆるくて可愛い女の子たちの魅力をうまく引き出してくれ、というようなある意味玄人プレイヤー向けの作品だ。読みごたえがあったのはかなかと友里子のシナリオだけだけど、絵や声も含めた全体として印象に残るのがエロゲーのいいところ。