未来から思い出す(フタコイ・オルタナティブ)

 ページが重くてなかなか見るのが大変だけど、YouTubeにあがってくるフタコイオルタナティブを視聴中。第6話まで見た。双恋は声がユニゾンする以外はつまらないアニメだったけど、オルタナティブはかなりはじけている、という評判は聞いていた。実際、視覚的な演出がとても凝っていて目を休ませることがない。粋なアイデアが次から次へと出てくる。話の展開も器用で鮮やか。
 しかし、普通のお兄さんの癖に双子の姉妹をはべらせて、若いのにマイペースで呑気な暮らしをしていて、でも探偵なんていうリアリティのない設定で、という明らかな不協和音が許されてしまっている世界に軽い苛立ちを覚える僕。というか、お前うらやましいよ。なんでもててんだよ。
 各登場人物の抱える寂しさはだんだん露わになってきているようで、第5話なんかは面白かった。それとは別に、この少しいびつな世界を「懐かしいもの」として見せてくる演出の背後にあるのは、これを望んでも得られなかった大人である、製作者の影。こんな形で製作者が簡単にちらついてしまっていいものか疑問。それに、こんなオサレなもん見せるなよ、ところかまわず写真を撮る女の子とか調子に乗るなよキッチュだよ、と反発を覚える。他方、まあこれはすべて倒立した現実、せいぜい楽しいものを詰め込んで夢を膨らませてよ、まだ夢は終わらせたくないよ、という共感。次回予告は古いフィルムを模した様式化の演出だけど、実際にこのアニメは、未来から存在しなかった過去を思い出しているような感じがする。エンディングムービーもそう。実はかなりオヤジくさい、というのが野暮なら、かなり後ろ向きなアニメの気がする。
 他の人の感想とか全然知らないんで、分かりきったことを言っている可能盛大だが、とりあえず印象をメモ。