続・神樹の館 〜言葉の質〜

 くそぅ、けっこうエロいじゃないですか!2連敗してしまった。いまさらながら実感した。エロさは喘ぎのみにて生きるにあらず。地の文の描写による援護や属性の一致も重要なんだなあ。
 物語のほうは、麻子シナリオを終えてだいたい分かった。しかし麻子シナリオのの最後はあっけなかったなあ。これはキャラゲー的比重は弱いみたいで、二人の人間関係を掘り下げていくよりは、あくまで語りの言葉に浸らせようという趣旨らしい。あらすじだけ見ても、たぶん王道的な伝奇物(ってよく知らないけど)の構成をしているので大きな驚きはないかもしれない。でもそれを演出する言葉がいい。童歌なんかよく雰囲気出てたなあ。
 しかし絵が弱いのは相変わらず(HCGはまあよし)。家族計画もそうだったけど、田中ロミオ氏の作品はどうしてこうなるんだろう。絵との連携がまた弱い気がするのも偶然だろうか。地の文で上手く描写しすぎてしまっていて、プレイヤーがヒロインの絵にいろいろと読み込む余地が、相対的に少なくなっている気がする。もちろんエロゲーの文章がプリミティヴなのが嬉しいわけはないから、こういうしっかりしたテキストには賛成。でも女の子との会話にももっと創造性を発揮してほしいなあ。最果てのイマは絵がしっかりしていたし、会話もある程度あった。でもある程度、にすぎなかったし、一対一の恋愛要素のついてはかなり奥手というか遠回しだった。エロゲーでは愛の言葉はインフレ気味だから、この人はいつもテーマをずらして側面から突くって方針なのかな。
 話がそれたけど、フェチシズムを煽るのはうまい。家族計画の末莉もそうだった。フェチシズムっていうのは言語的なものによって超言語的なエロスを強化する技法なんだから、言葉の匠であるロミオさんにぴったりな領域ということだろうか。というわけで紫織さん素晴らしい。立ち絵が弱いのが残念だが、声は悪くないんだし、その辺はこちらでカバーだ。