びんちょうタン弐巻

びんちょうタン(2) BLADE COMICS

びんちょうタン(2) BLADE COMICS

 イントロダクション的な話が多かった1巻とは違い、けっこう乗ってきて、きつい話も出てきた。顔の表情や絵のリズムが時々かなりすごい。ノスタルジックな癒し系の嘘臭さも忘れて、純粋に見入ってしまう。
 しかしこの2頭身の絵って美術学的にはどうなのだろうか。不思議なことに大きな頭にも大きな目にも違和感がない。西欧の詩歌において女性の美しさを描写するために一番よく言及されるのは目と髪の毛であり(日本では目の代わりに涙だろうか)、その伝統はアニメやエロゲーの二次元絵にも受け継がれている。つまり意味的な負荷が大きい部分は大きく描かれるという、まるで中世のイコン画のような法則があり、びんちょうタンにおいても、顔と目の表情が大切なので、そこが大きく描かれる。体や手足は小さく描かれ、ちょこまかした感じ、彼女たちがスケールの小さな世界に住むことを表す。・・・こじつけだな。
 ともかく2巻はだいぶよかった。この先も楽しみ。つっても忘れた頃に出るくらいのペースだろうけど。それでいい。びんちょうタンの喜怒哀楽(哀が多いが)はゆっくりしたペースだから。