キラ☆キラ②

 紗理奈ルート。属性的に一番お気に入りになりそうなヒロインだけど、あまり劇的な展開もなく、ちょっと残念。プロットは穏やかでも内容に筋が通っていることは確かで、主人公のしぶとさはなかなか面白かった。いちいち生活観のあるディティールに見合った話にしようとすれば、こういう現実的な姿勢はなんか勉強になってしまいそう。ただ、恋愛の話としてはインパクトが弱めで、現実の恋愛もけっこう曖昧なところがあったりするからその意味ではリアルなのかもしれないけど、正直なところ、これからもっと面白くなりそうなところで終わってしまった感じ。主人公も紗理奈も息が合っていて仲良くやっていけそうだけど、感慨に浸ったりするのはまだまだ早そうで。
 シナリオの構成として、バンドの部分と恋愛の部分が分かれてしまっているのがもったいない。バンド中は仲間とのまとまりが大事だから誰かの内面に踏み込むようなこともないし。龍平にはやられたけど。
 いくら「今度こそ本気になる」といっても、こんな怠け癖がついて戯言ばかり言っている人間はなかなか大変で、今度こそがんばらなければならない。それほど素晴らしい相手と出会ったのだから。それはまだ描かれていないけど。