くじら②(美佳) とか

 今期3回目の忘年会で騒ぎすぎてまた風邪をぶり返してしまった。もう1ヶ月近く風邪気味のまま。咳のし過ぎで脇腹の筋を痛めてしまった。ようやく会社が終わり、いちおう6日間好きに過ごせる時間ができ、早速最終試験くじらの続きをやっていたら母からの電話。シナリオ終盤だったので無視しておいて、後で留守電を聞いてみたら、今日実家に帰ってこられないか、兄弟もそろうよ、自分たちはこれから教会に行ってくる、とのこと。なんだか申し訳なくなって、築地へ行ってカニとか魚とか買ってきた。築地の場外市場は大変な混雑で、しかも魚もまだけっこう高くて種類もそれほどなかった。場内へは体力も時間もないので行かなかった。築地ならアパートから乗り換えなしの地下鉄で行け、有明なら乗り換え1回で行けることに気づいたので、まだカタログも買っていないけど、実家へは今日日帰りで戻って明日は有明に行ってしまうかもしれない。


 くじらは美佳ルートを終えた。やはりテキストは薄かったが、これはまだ地に足がついている話なのでよかった。オレっ娘というハードルの高い設定ながら、美佳の爽やかな性格のおかげで気持ちよく読めた。海原エレナさんは優佳と完全にと言っていいほど演じ分けていた。
 昔一時期裏方で手伝いをしていた演劇サークルから、先日、公演の案内が届いてふと思い出したりしていたこともあり、演劇の稽古の雰囲気はなんとなく懐かしかった。演劇では、メンバーが素人に近ければ近いほど、それは観客向けというよりは自分たちが感動するためのものとなる気がする。最初はセリフもろくに言えず、オーバーな感情表現に照れていた役者たちが、そのうち自分たちで演出や身振りを工夫し、裏方から観客まで含めて最後には何とかいちおう形にする。シナリオが感動するものかしないものかというのは、本人たちにとってはいわばついでのことであったりする。役者をやったことがないので知らないけど、おそらく一番感動するのは古来より役者自身なのだろう。役者は数が限られているから、残りの人は観客とかになって間接的に感動を作り出しては受け取るのだろう。ゲームとはあまり関係ない話だけど。
 美佳は主人公の演じる娘に憧れ、でも見ることには飽き足らず自分でも稽古を始め、観客に見てもらえるかにはあまりこだわらずに稽古にのめりこんでいく。だからといってその後を追ってプレイヤーがエロゲーの「稽古」にのめりこんで、自分が役者となってエロゲーを「作る」ことができるかというと、なんだかあざとい話になってくるな。まあ、そんな感じでご都合主義とそれ以外のものを喚起する要素が、ゆるく混ざった話だった。