くじういんぐ編『Memories of the bright season』(ONE同人短編集)

 ONEのSSなんてネットで探せばたくさん出てくるのかもしれないけど、文庫の形になっていると気軽に読めるのでよい。装丁もいいし。ヒロインたちは驚くほど色褪せていない(意地悪な突込みを入れるなら、無駄に現代風な言葉遣いになっているところがあって残念だったり)。どの話もよかったけど、瑞佳と澪とみさき先輩のがよかった。特にみさき先輩の話「プールとカツカレー」は、彼女のあの心地よい雰囲気やONEの不思議時空を、本人のモノローグで表現するという高度な技を見せてくれている(この話だけハッピーエンドとはちょっと違うけど、それもまたいいかも)。すなふという人、文章うまい。


 SSといえばこれが面白かった:るるる(ゼロの使い魔とR.U.R.U.R.のシロツメグサのクロスオーバー)。イチヒコからルイズにシームレスに切り替えられてしまうのがロ○ットの怖いところ。どこか歪んでいても、二人とも幸せそうで心温まる。