少女

ゆのはな (65)

ゆのはのお涙頂戴話とそれに毎回泣かされる主人公、それを信じてしまう町の人たち。「作り話」を受け入れてしまうことの不自然さが強調されているモチーフだが、これが何かの直接的な伏線になっているということはなかったようで、この、伏線に回収しないとい…

Rewrite (70)

エロゲーマーは地球の心配をしなくてはいけないのか?確かに、地球が滅びるからその危機を救えみたいな話はマンガとかによくありそうだし、実際にエロゲーでもHello, worldとかそんな感じだったし、最果てのイマだってそういう舞台仕立ての話だったと説明す…

猫撫ディストーション Exodus (85)

以下、プレイ順の感想です。ネタバレ多し。 とてもやさしく心地よい作品だった。書き尽くした感のある見事な出来ながら、これで猫撫の物語が終わりになるのは名残り惜しくもある。 ●Exodus (この項は再掲) キリスト教を内側から、情念の側から取り上げたのが…

Scarlett (65)

ねこねこソフト作品で個人的に一番思い入れがあって、タイトル的に本作と対比させることが出来そうな「朱」を基点に、感想的なものをつらつらと。朱が徹底的に情念の動きの上に組み立てられた物語であり、「現実味」に乏しく、登場人物たちの行動は不条理なほど…

はつゆきさくら (65)

入学式を9月にしようとしている大学もあるけど、年度を4月に始めるのはどういう経緯なんだろう。3月末に桜が咲いて散るからというのが理由だとしたら日本はすごい。どっちがいいとか言わないけど、1年が終わって夏休みだとか、休暇だとかいう欧米ののんきさ…

朝からずっしりミルクポットSPECIAL (85)

エロゲーヒロインの位相は基本的に作品中、つまり物語中に定位されるものだけれども、人体から魂が抜けるように、物語中でも僕らの住む三次元世界の中でもなく、どこか境界的な場所にヒロインが抜け出してたゆたっているように錯覚することがある。ヒロイン…

りとる†びっち (65)

幼女の言葉が僕を解体する。 作品の構造として折込済みといえるのかもしれないけど、今回は単調に感じてしまったというのが素直な感想。 この汚らわしい存在である自分というものを消し去るために、主人公をあまりでしゃばらないようにしたり、傍観者の鴉に…

花散峪山人考 (65)

放っておいても勝手に失われてしまうものをわざわざ全力で滅ぼす、のは本当はその対象に深く執着しているから、そういう凄絶な形でしか関わりを表せなかったから、だから、伊波が壊したものはすべて彼のものだった、彼とは相容れないような甘ったるいものや…

With Ribbon (65)

夢というのは基本的には過去の記憶を素材としてできているものであって、だとしたら、人は毎晩過去にタイムスリップしているようなもの。過去というのは遠ざかっていくというよりかは、頭の中に蓄積されては次第に断片化されたり失われたりしていく。夢を見…

信天翁航海録 (75)

キサラとシサム: 出身はどこか北米の辺りなのかもしれないけど、すっきりした目鼻立ちとか、きれいな弧を描く上頬のふくらみとか、長い手足とか、おさげとか、低めの声とか、肝の据わった性格とかを見るに、スラヴ系のイメージが似合う。BGMもミハルコフの…

蒼天のセレナリア & 蒼天のセレナリアFD (65)

前から少しずつ読んでいるレヴィ=ストロースの『悲しき熱帯』との関連で、南米を見るヨーロッパ人のようなまなざしで「未知世界」を見ていた。印象深いのは、4000年を超える集中的な利用によってすっかり干上がり痩せ衰えた大地に、終末的で宗教的な感覚を…

まじのコンプレックス (70)

自分でも仕組みがよく分かっていないままに使っている言葉があって、「感情移入」というのはその最たるものだ。自分は主人公に感情移入することはあまりないような気がするけど、だからといってヒロインの感情移入しているかというとよく分からない。この作品…

紅殻町博物誌 (70)

熱い社会と冷たい社会のアレとか生物と無生物の間とかじゃないけど、基本的に動いていないと社会も人も生きていくことさえままならないという腹立たしいルールのゲームに、僕も日々、特に社会人になってからは、藤森のような無神経な営業トークをしながら加…

巨乳性奴会長 (70)

締まりのない身体の線やアヘ顔、目つきが悪かったり顔が長く見えたりして萌えるどころか拒否感を呼ぶ正面向きの顔グラなど、絵的なだらしなさはテキストにも感じられる。HAINさんの独特なお下劣文は、エロさというよりは呪いのような思い入れを背後に感じさ…

天使の羽根を踏まないでっ (55)

太陽の学園編では雰囲気ゲーとして見ずにすんでいた粗が、話を盛り上げようとした月の学園編では見えまくってしまった。盛り上げようとしてつくる「タメ」や、歌舞伎役者のように切る「ミエ」が、ことごとくわざとらしくて空回り。キャラ同士の掛け合いに驚くほ…

姫さまはプリンセス (65)

断片がフラグメント。プレイ時の雑感です。 1. クリスシナリオを終了。取り立てて何か引っかかるところがあるわけじゃないけど、久々にやったエロゲーの快感が骨の髄まで染み渡り、クリスの運命と幸せに行く末に引き込まれ、心安らぐ思いを味わう。異国の特…

彼女たちの流儀 (70)

目で見てそのテーマを感じると言う意味においてグラフィックありきの作品。別にものすごく絵が神がかっているとかいう訳ではないけど、「美しいものを見せられた」感があって、見るゲームだった。 若干湿り気はあるけど自分の道を選んでまっすぐ進んでいこうと…

春萌 (80)

まとめ。 りるけ:http://d.hatena.ne.jp/daktil/20110615 淡雪・灰音・沙緒:http://d.hatena.ne.jp/daktil/20110621

朝からずっしりミルクポット2リットル (85)

おねがい……さきっぽだけは、見ないでぇ…… これはパッケージ表面に印刷されている煽り用の台詞で、実際はヒロインたちは裸同然の格好でビール瓶のような陽物を立ててアヘ顔で野外を歩いており、さきっぽだけ見えなければ問題ないとかそういうレベルではない。…

猫撫ディストーション (75)

これまでの分 体験版雑感:http://d.hatena.ne.jp/daktil/20110213 ギズモ・式子:http://d.hatena.ne.jp/daktil/20110227 結衣:http://d.hatena.ne.jp/daktil/20110306 柚:http://d.hatena.ne.jp/daktil/20110313琴子: 震災やら何やらを挟んで設定的な部…

Love x Evolution (75)

圧倒的に綺麗なグラフィックと心地よい環境音のおかげでただヒロインの千夏を眺めたりゆるんだ会話を聞いたり、気が向いたらいたしたりしているだけでかなりの快楽と安らぎと満足を得ることができるため、わざわざ好感度を下げたり意味のない作業をしたりし…

紫影のソナーニル (75)

(体験版時の雑感1、2) 気のせいかどうかは確認していないけど、中盤まで多義的で解釈を逃れるようなところがあった語りと設定の歪みが、終盤でだんだん一義的な方向に収束されていってしまったように見えたのは残念といえば残念。作品としてはきちんと話を…

Crescendo (55)

ファンタジー要素がなく教科書どおりの展開なのでテレビドラマのような読後感。別に面白くないわけじゃないけど、意外性や奇形性のような過剰なものがないと物足りない。女の狡さ的なモチーフも青春のフィルタを通してみれば綺麗なものに。古典的な構成とい…

マジカルウィッチコンチェルト (70)

仏教における修行の目的はこの世の価値のあるものないものの全てが空であることを認識し、それをもって死の訪れに対する準備として、実際に死が訪れてきたときにそれに乗じて自分を意識や身体から解放し、輪廻の輪から抜け出ることだいう。修行をしない怠け…

ワンコとリリー (65)

恋愛ゲームがそのクライマックスにおいては言葉の授受に焦点が当てられるものだとしても、物語の全体の中にはイベントが起こるし、次第に開示されていく設定があるし、アクション的な要素だったある程度の位置を占めるもので、そのバランスや質を標準的な評…

ぐらタン (60)

いまさらではあるがエロゲーにコメディはあまり求めていないと改めて思った。主人公の能天気なハーレム志向と対称にされる形でヒロインの我慢や依存をテーマにしたシナリオが多いので、もっとドロドロした話になってもおかしくないのだけど、コメディタッチ…

明日の君と逢うために (75)

瑠璃子とか:http://d.hatena.ne.jp/daktil/20100816 小夜:http://d.hatena.ne.jp/daktil/20100821 舞:http://d.hatena.ne.jp/daktil/20100823 あさひ:http://d.hatena.ne.jp/daktil/20100829 明日香:http://d.hatena.ne.jp/daktil/20100904 里佳:http:…

レコンキスタ (55)

語りが説明しすぎているために分かり易すぎて挫折。スキップを多用した。もっとシナリオを省略して整合性を崩し、短くて読みにくいものにしてくれたらありがたかった。題材、文体とも新鮮味がないため、結局は過去エピソードとエッチシーンを中心に見てしま…

そらいろ (65)

子供のイメージとして、首が突っ張っているというのがある。成長途上にあるからか体のバランスがどこか不安定で、その偏った力がまだ肉付きの薄い上半身とか首とかにかかっている感じ。あとは得体の知れないものを警戒するような目つき。本とかの間接的な知…

Angel type (50)

語り口がべたで話が短いので入っていけず、重い話のはずなのにちょっとした青春の寄り道程度の手応えになってしまい、なんかちょっと申し訳ない気持ちになる。曲がりなりにも数年前に社会人になってしまった人間なので、主人公の抱える問題が遠すぎるという…