少女

こころナビ (80)

とてもいいゲームだった。 起動してOPムービーが流れてすぐに引き込まれた。溝口哲也さんという方の作る音楽が好きということもあるのだろうけど、多分、この作品で描かれているようなネットの未来が好きなのだろうと思う。それは音楽にも現れているし、作品…

世界と世界の真ん中で (55)

立ち絵がとてもきれいで大きい。近さは普通なのかもしれないが、布地をたくさん使った服やリボン、ボリュームのある髪などで大きく見える。みんな髪が長く、ポーズもきれいだったり可愛かったりして目に優しい。咲き誇っている花を見るような感覚がある。立…

この大空に、翼を広げて (65)

空とか星を作品名に入れた爽やかそうなゲームが増えたなあと好ましく思いつつも、いまいちな感じのものばかりで見送っていたけど、先日安かったのでつい買ってしまったのがこれ。結論から言うと、パッケージから受ける爽やかな印象以上のすごさはなく、子供…

ノラと皇女と野良猫ハート (75)

ヒロインの個別感想で書きそびれたので一言。おっぱい大きかったです。これだけ揃いも揃って大きいとおっぱいの安売りのように感じても仕方ないですが、とにかく景気がよかった。豊穣感があった。おっぱいは魔法だな。 夕莉シャチ: 「ノラさん」と呼びかけ…

らぶおぶ恋愛皇帝 of Love! (80)

それぞれの言葉には神経の足か何かのようにコノテーションのフックがいくつも生えていて、言葉に自由を与えすぎると、言葉は分子みたいにバラバラな方向に飛んで、勝手にいろんな言葉を引っ掛けて結びついていく。極端な場合にはそれは単なるナンセンスにな…

西暦2236年 (75)

人をちゃんと見ていないから、人をちゃんと好きになることができない。だから自分の悪いところ、悪い感情を大切な人にも見せられない―――。人間として未熟で青臭い悩みだが、耳が痛いところがある。そういう人間は、好きという気持ちの純粋さだけを問題にすれ…

こころリスタ! (75)

Q-Xの作品をやるのは初めてで、正直なところ体験版をやっても特に強い個性が感じられたわけでもなく、引き込まれたわけでもなかった。絵が結構可愛くて、仮想世界のBGMが飽きの来ない曲だなあ程度の印象しかなかったのだが、一部で高く評価されていたので騙…

こころリスタ! (さち)

メインライターとは別の人が書いたということと関係があるのかどうか分からないが、さちシナリオは結局最後までどこかちぐはぐな印象が残った。さちがなぜあそこまであの丸っこい兄にべったりなのか分からないし、主人公がお兄ちゃんと呼ばれる感覚もよく分…

こころリスタ! (雪音)

雪音はあんまり書くことがないんだよな……。コンプレックスのお話だ。顔が主人公と似ていて地味で眼鏡で、胸が双子の妹よりも控えめで、そういう意味では星歌よりもずっと妹らしい妹なのだが、実は夢見る女の子で、地味な自分が何かに長じたいと思ったら「姉…

こころリスタ! (星歌)

大昔の記憶なのであやふやだけど、トルストイの『復活』でネフリュードフがカチューシャの斜視の目に惹かれていくというのを読んだとき、斜視という言葉の意味が分からないまま読んでいて、なぜか黒目の大きな目(カチューシャの目は黒くなかったっけ)、どこ…

こころリスタ! (マリポ)

あの口みたいな栗をしているときの立ち絵。あれほど防御力の低い立ち絵は見たことがない。こちらを指差し、攻撃的な威圧感を与えようとしつつも、体をひねって半分横向きになっていて、腰が引けているような、当て逃げをしようとしているような弱気さが思わ…

こころリスタ! (メルチェ)

某麗知恵さんの時は発音がなってないなどと生意気なことを書いてしまったが、スペイン語は分からないの、メルチェがエッチシーンでスペイン語で何かしゃべりだしても余計なことを考えずに楽しめた。メルセデスという名前がスペイン語的に女性名としてどう響…

幼馴染と十年、夏 (65)

他の人の感想を見てみたら、幼馴染とは何かについて百家争鳴のようになっていて笑ってしまうが、そこに自分も加わるようなことは面倒なことはしまいと思いつつも、何か一言いわずにはいられなくなるような魅力的な言葉なのだな。最近読んだ斎藤環センセーの…

サクラノ詩 (70)

はじめに全体に関することを一言書いておくと、「詩」という言葉を冠していながらも、ハードルを下げて説明しすぎなところが多くて悪い意味で散文的だったし、終盤のいいと思ったところ(夢と現実と幸せをめぐる不安)は良い意味で散文的だった。いろんなネタ…

ネコっかわいがり! (60)

オスカー・ワイルドの名前を知ったのは大学生の頃に「サロメ」を読んでからだったはずだが、子供の頃にどこかで読んだ「幸福の王子」の作者でもあることを知って驚いた気がする。「サロメ」の後に「幸福の王子」を読んでいたら、あざとすぎるのではという疑念を抱…

家族計画〜そしてまた家族計画を〜 (80)

なんか細かいことは無視して真に受けたくなる。真に受けて引きこもりたくなる。きれいなお話じゃないですか。現実ってのはこんなに美しくないじゃないですか。少なくとも僕はこんな現実を築きあげることはできそうにない。でもこの作品は別にきれいなお話を…

雪影 (60)

何も知らずにリニューアル版を買っていろいろと閉口するところがあった。無粋なことを書いておくと、つくりかけのままメーカーが解散して公式サイトがなくなったことを、あるときから姉がいなくなって埃だらけの廃墟のような老朽家屋が残されたことにダブら…

驚きのギズモ:猫撫ディストーションが見せる目的論と因果論(2011年)

then-dさん主宰のtheoria発行『恋愛ゲーム総合論集』(2011年、C80)に寄稿させていただいた小文を公開します。then-dさんは丁寧にチェックしてくださったのですが、掲載稿のファイルが手元にないので他のものです。誤字等が残っているかもしれませんがご容赦…

Sense Off (80)

「回想――祭りが始まり、時代が終わった」(『美少女ゲームの臨界点』、2004年)の中で元長氏は、(現在のフォーマットのエロゲーを確立させた)「雫の時代」は1997年のTo Heartから2001年の君が望む永遠までの間だったとの認識を示していて、Sense Offは2000…

KISSx500 KISS権、発動 (65)

ふーーーーーーーーーーーーっ・・・まさか結婚後に最初の投稿がこの作品の感想になるとは思わなかったな・・・。というわけで、2009年から6年にわたってプレイしてきたKISSx500をようやく終わらせた。年に1回くらい思い出したように進めてきて、もう初めの…

相思相愛ロリータ (75)

エロゲーのヒロインはそもそも存在自体が僕よりも賢いものとしてあるのだけど、それでも多くのヒロインはぱっと見はあまり賢そうではないので、愚かな自分はあなどってしまうことが多い。特に頭脳派っぽいキャラがぽいだけだったりすると残念に感じるし、そ…

さくらシンクロニシティ (55)

なんだか作品を出すごとにクオリティが下がってきているホワイトソフトだが、今回も手堅く下がっていて期待通りだったorz。一部いい素材もあるのだけど、至る所で緊張感に欠けた演出が顔を出すので、没入感を維持するのが難しい。立ち絵とセリフが合っていな…

しゅきしゅきだいしゅき!! (75)

…タマーラのいない人生など物理的に不可能なものに思えた。しかし、ギムナジウムを卒業したら結婚しよう、と言うと、彼女は、私が大きな過ちを起こしているか、あるいは馬鹿げたことを言っている、と言い張るのだった。 …水兵帽から垂れる褐色の巻き髪の、絹…

夏ノ雨 (60)

きちんと感想を書く機会を逸してしまった。ファンタジー要素がなくすべてがストレスのある日常の人間関係の延長で起こるので息苦しかった。あとは絵がほんわかしていたからか印象がぼやけ気味だった。今となってはそこがいいのかもしれないけど。ひなこ(立ち…

帝都飛天大作戦 (65)

最近、サンシャイン60の展望台やら新宿西口の50階くらいのレストランやらに行く機会があったが、いい景色だなあという意外に特に何かを感じることもなかった。ネットに写真やら絵やらがたくさんあるので目が慣れてしまって、都市のダイナミズムに対する感覚…

月に寄りそう乙女の作法 (70)

今年はシベリアで石炭が何万トン取れそうだとか、東ウクライナの内戦でアゾフ海の港からの鉄鋼の輸出に問題が出るんじゃないかとか気にしている人間にとって、服なんて別にユニクロでいい、むしろユニクロでさえ贅沢であって、下着とワイシャツ以外の服を最…

大図書館の羊飼い Dreaming sheep (60)

おとぎ話がないのなら、主人公が甲斐性を発揮して女の子を幸せにしてあげられないと話が回らない。だから主人公はがんばるし、ふさわしい幸せも手に入れるのだけど、僕としてはそんな彼を見ても大変そうだという感想が先にたってしまうのかもしれない。自分…

大図書館の羊飼い (60)

流行りのイケメン主人公の全能感をくすぐる設定に若干息が苦しくなる。「反射的に俺は右手を伸ばす。『……え?』 そして彼女[まだ結ばれる前の望月会長]の頭を撫でていた」という超人である。トラウマ設定とか人格障害とか出てきてもあまり説得力ない。下か…

Fate/hollow ataraxia (70)

Fate/stay nightの話をだいぶ忘れてしまった上に、かなり漫然とプレイしてしまって、申し訳ないけど理解しきれていないと思う。個々のフレーズにしてもそうだし、それ以外でも例えば、ライダー、ランサー、キャスター、葛木の回想があったけど、なぜいまさら…

ギャングスタ・アルカディア (60)

前作の感想:http://d.hatena.ne.jp/daktil/20130811 選択肢にもあったけど、ループがあることが善いか悪いかという問題なのではなく、ループは一度生じてしまったらそれが存在しないような世界も想像させる可能性を生まざるをえない、反省的な代物であり、…